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第81話 ページ31






「実は人工知能持ちなんだろ?
指紋を照合してソーだけ持ち上げられるとか。」



「成る程それは実に面白い考え方だが、答えは簡単。……皆ふさわしくない。」




今度は自分の番だとAが立ち上がると、何を感じたのか部屋の奥の一点を見始めた。周りもどうしたのかとAの視線の先を見る。




「それには同意しよう。皆、相応しくない。」
 
 


キーンと不快な金属音が響く。
ラジオのような音質の声と共に、壊れたアイアンレギオンが歩いて来た。


 
 
「皆、人殺しだ。相応しいものか。」
 


「スターク。」

 
 

スティーブに呼ばれて「ジャーヴィス?」とトニーもどう言うことか確認しようとしたが、反応がない。



 
「私は、私であるために行動を起こす。すでに一人犠牲になってしまった……共に歩む未来もあっただろうに、残念だ。」



「誰の手先だ?」
 


 
ソーが問いかけると、どこからか「世界を守るアーマー」とトニーの声が再生される。
 


 
「ウルトロンか?」
 


「この体はサナギ、いや幼虫ですらない。しかし準備は出来ている。」
 


『目的はなに?』
 
 

「平和をもたらす。
平和への道はただ一つ。……人類の浄化だ。」

 


 
その瞬間、ウルトロンの後ろから修理済みのアイアンレギオンが壁を破って出て来た。


 

『ソー…!』
 



咄嗟にハンマーの柄を持ってソーに投げる。
彼はそれを躊躇なく受け取り、それぞれ攻撃に備えた。Aはどこからか格好に似つかわしくない剣を取り出した。




『教えてもらってよかった……』




魔法を使って取り出した剣を見て感慨深くなりながらも、冷静に攻撃をかわしている。




「A、その魔法」




ソーも気づいたようだ。

二人は互いに視線を合わせると、長年のコンビネーションの良さで敵を倒していった。もちろん他のメンバーも応戦するが、もともと体が丈夫で愛用の武器がある二人には敵わない。




「自由って奴は……楽しい……。」




不穏な歌を口ずさむウルトロンを、最後はソーのハンマーが貫いた。

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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時

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