第80話 ページ30
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「相応しき者だけがこのハンマーの力を授かる……ってかんじだろどうせ。」
「ハハハ!……じゃ、どうだ。試してみるか?」
残ったアベンジャーズの面々と、ローディにヒルとチョ博士で楽しく飲んでいるとクリントがソーのハンマーに仕掛けがあると言い出した。
ソーに挑発されて「よぉし……」と意気込むクリント。
『怪我人なんだから無理しないでね』
そう言いつつも、Aはソーに寄りかかって楽しそうに笑っている。クリントはハンマーの柄を思い切り引っ張ったが、それはびくともしなかった。
「なんでこれが持ち上がらないんだ。」
「鼻で笑われるぞ。」
「そう言うならやってみたらどうだ?」
「いいか、僕は冗談抜きでやるからな。……物理学だ。もし持ち上げられたらアスガルドの王か?」
「あぁ、もちろん。」
「じゃあ僕が王になった暁には、一夫多妻制を復活させる。」
次のチャレンジャーはトニーだった。
柄に付いている革紐に腕を通して踏ん張ってみるが、無理だとわかると「ちょっと失礼。」と席を外した。
彼は腕にアーマーを着けて、それでも無理だったのでローディと協力することにした。
「力入れてるか!?」
「そう言うお前こそっ」
「せーので行くぞ!」
「よしせーの!」
結局二人がかりでもダメだった。
そこで立ち上がったのはバナー博士。彼はヘリキャリアでハルクとして暴れた時にはハンマーを持ち上げられなかった。
「くっ……ぅがぁぁあ!!」
バナーの姿でもダメだった。怒ってハルクが出て来そうな叫びも上げたが、虚しく響くだけだ。すると、満を持してスティーブが腕まくりをした。
『もしかしたらスティーブならいけるんじゃない?』
「まさか。そんなわけない」
余裕そうにお酒を飲むソーを見返そうと、スティーブが両手で引っ張った。
『ぁ……』
一瞬、わずかだが動いたようにも見えた。
しかし、やはり持ち上げることはできなかった。
『ナターシャは?』
「私は遠慮する」
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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時