第78話 ページ28
.
セプターの研究はトニーとバナーに任せ、マリア・ヒルからの情報によると杖によりできた強化人間はワンダとピエトロの双子であるとわかった。
危険因子を残しつつも、チームは土曜に行われるパーティーに意識を移した。
Aは会場であるタワーにソーと服装の色を揃えて来た。
『ミッドガルドのパーティは初めてなんじゃない?』
「ああ。
…アスガルドのドレスとは違う美しさがあるな」
『ありがとう。あなたもね』
ソーの襟をAが直したところで、2人の前にナターシャが現れた。
「ちょっとそこのハンサムさん。
仲睦まじいのはいいけど、私も彼女を借りてもいいかしら?」
「あ、ああ。また」
ドレス姿のAに完全に心奪われたソーは、そのままナターシャに彼女を渡してしまった。
「いいドレスね。ソーと選んだの?」
『まさか。
ペッパーが気を利かせて送ってくれたのよ。本人が今日いないのが残念ね』
「背中がガラ空き。」
ナターシャはそう言って、広く開いた背中を指でなぞった。
『もしもの時に羽が出せなくなるでしょう。せっかくのドレスに穴を開けたくないから』
「ただのパーティーよ。何が起きるっていうの?」
『さぁね。
でも、ここにいても強い力を感じる…あの杖から』
バーに寄ってお酒の入ったグラスを2人で乾杯し、Aはひと口飲んでからまた続けた。
『ソーは強いけれど、ロキは見る目がある。
本物かどうか見極めることが出来る。そして彼は、本物にしか興味がない…
て、パーティーなんだから、確かに今は相応しくない話題よね。止めましょうかこの話。』
Aは「酔えたらいいんだけど…」と、未だ杖の未知の力を危惧しているようだった。
「やあ、えっと、2人とも似合ってるよ」
「ありがとうバナー」
『ああ!じゃあ、あとはお二人でどうぞ。楽しんで』
30人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時