第76話 Age of Ultron ページ26
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「子守歌は効果覿面ね。」
ナターシャがバナーにそう話しかけた。
クインジェットの中にはヒドラの残党を倒しにソコヴィアへ赴いた、アベンジャーズの懐かしい面々がそろっている。
前回と比べて格段にチームワークは良くなり、敵を倒すのにチームプレーまで見せるほどに成長した。
「僕が変身するべき状況じゃ……」
「もしあなたがいなければ被害は倍になってた。私の親友も思い出のなかの人になってた。」
「はっきり言ってくれていいんだよ、たとえ耳に痛い言葉でも」
「まだ私を信じてないの?」
「信じてないわけじゃない。」
横になって眠るクリントは怪我をしているが、バナーやハルクの存在がなければもっと悪い状態になっていただろう。
「Aは?あの彼女が疲労困憊してるなんて、暴走した僕を止めてくれたのかも」
バナーの言う通り、Aはクリントと同様とまでは行かないが座席に座ってうたた寝をしていた。
「心配無用だバナー。
Aは育児で疲れてるだけ。」
「育児だと…?」
トニーが会話に混ざると、ソーまで興味を示してしまった。
「てことは彼女は、会わないうちに子供を産んでたってことかい?」
「いいや。Aからそんなことは一度も聞いてないぞ。カラスからの手紙にも書いてなかった。」
「また誤解されるような言い方をして…起きたらAに怒られるわよ。」
「事実だろ?」
ナターシャの言葉にバナーもソーも、実は静かに聞いていたキャプテンもいつものトニーの冗談だと気付いたらしい。
「AはS.H.I.E.L.D.が無くなってから孤児院を回ったり、ベビーシッターを再開したり。つまり子供達のために朝から晩まで働いてたんだ。」
「最近なんか教師にでもなるのか、勉強まで始めたのよ。」
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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時