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第71話 ページ21






サムの協力を得たスティーブとナターシャは未だ意識のないAをサムの家に置いて、やっとの思いでマリア・ヒルのいる秘密基地にたどり着いた。




「銃で負傷、3リットル出血してる」



「もっとかも」



「私がみよう」



「彼に合わせるのが先」




途中ウィンターソルジャーの奇襲を受けた彼ら。ナターシャは肩を打たれて出血していた。

ヒルに連れられて奥へ行くと、死んだはずのフューリーがベッドに横たわっていた。




「なんだやっと来たのか」




実は今回の件、S.H.I.E.L.D.のなかに着々と根を伸ばしていたヒドラに気づいたフューリーは死を偽装することでウィンターソルジャーの手から逃れていたのだ。




「暗殺に成功させたと思わせる必要があった。
それに誰を信じていいかわからなかった」




そう言われてスティーブたちは何も言い返せなくなってしまった。

気分転換にと外に出たスティーブ。
ダム付近であるここは自然も豊かで風が心地よい。




『やっと見つけた』



「A…!もう平気なのか?」



『ええ。それより、スティーブは大丈夫?
ウィンターソルジャーの正体……』



「バッキーだろ?ついさっき会ったばかりだよ。」




Aは置き手紙を見て、これまでの経緯をあらかた把握したらしい。




「それよりも、それ、どうしたんだ?
結婚してるわけじゃあるまいし」



『ああ、これ…』




Aは胸元からリングのついたネックレスを取り出した。




「手当してたときサムが見つけた」



『実はね、初めての地球での友人からの預かり物なの。そろそろ渡す時が来たみたい。』



「どういうことだ?キミにじゃないのか」



『その人には弟がいたの。
弟には奥さんがいて、赤ちゃんがいた。弟夫婦は亡くなってしまって、その人は赤ちゃんを引き取った』




そこまで聞くとスティーブはまさかと言う顔をして「その赤ん坊は僕か」と言った。




『いいえまさか。貴方のご両親が…亡くなったのは、もう少し後でしょう。』



「確かにそうだが」



『彼の名前はピーター・バーンズ。
彼のためにも、バッキーを救い出さないと…』




そう言ってAはリングを見つめた。

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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時

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