断片的な記録2【MCU】 (ページ18)

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第６８話ページ18

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　拘束され目隠しをされたAは、黒いバンに乗せられてどこかの建物の地下へとやって来た。首謀者であるアレクサンダー・ピアースと対面した彼女は説得を試みたが、計画を止める気はないらしい。

拘束を外されたAは、見張り役のバッキーと一緒に広くもない部屋に閉じ込められた。

そもそも人間の拘束器具など、本気を出せば壊せてしまうのでする必要がなかったのだ。それに加えてAはバッキーに容赦なく攻撃されたので手負だった。

『ひどいじゃない…手加減もしてくれないなんて』

しかし、Aが何度話しかけてもやはりバッキーはこちらを覚えていないらしい。怪訝な目で彼女を見るだけだ。

『覚えてる…？昔あなたに何度もデートに誘われたのよ。とっても必死になって、可愛かったわ』

バッキーのその左腕から、彼が洗脳されているという考察に行き着くまでに時間はそうかからない。そこでAはひとり、彼についての思い出をひたすら語り続けた。

『スティーブがあなたのことを知ったら、とても喜ぶでしょうね…2人は、親友だから』

「そろそろ黙れ」

記憶がないとは言え、初めてバッキーから冷たい態度を取られたので精神にかなり来る。

『そうね…少し、疲れたかも』

治療も無しに閉じ込められたAの体力にもそろそろ限界が来てしまい、敵居中にいるにも関わらず気を失うように寝てしまった。