検索窓
今日:31 hit、昨日:12 hit、合計:4,219 hit

第67話 ページ17

_____ワシントンDC




「肺を変えてくれよ。
あんた20キロをたったの30分で走ったな」



「そうか、おそすぎるな」



「まじか…そいつは残念だったな。もう一周してこい」




スティーブの「左失礼」から始まった2人の奇妙なジョギングが終わった。




「サム・ウィルソンだ」



「スティーブ・ロジャース」




お互い軍人経験がある事もあり、2人はすぐ意気投合した。話は思いのほか盛り上がったが、スティーブの携帯に連絡が入った。




「任務が入った。お疲れ」



「退役軍人省に寄ることがあったら教えてくれよ。受付の女の子に自慢したいから」



「覚えておくよ」




すると黒い車が2人の横に停まった。ナターシャだ。




「ねえそこの人、スミソニアン博物館どっち?
化石を送りに来たんだけど」



「よく言うよ」




スティーブが助手席に乗ると、ナターシャが顔を覗かせた。サムと互いに挨拶を交わすと彼女は車を出した。

しばらく両者は黙っていたが、赤信号に引っかかったところでナターシャが口を開いた。




「Aが行方不明なの」



「なに?」



「ダレス空港を出たのは確かなんだけど、途中の道で事故を起こしたみたい。」



「無事かも分からないのか?」



「あの子のことだから、それくらい大丈夫だとは思うけど……運転席のドアが壊されてた。」




何もないところで事故を起こすはずがない、車体には事故のものじゃない傷もあった、とナターシャが事件の不審な点を次々と口にした。




「待て。なぜ人の手でドアが壊されたとわかるんだ。事故で外れただけかもしれないだろ」



「手の跡がついてたの。ドアが歪むほどの力で握られてできた、手の跡が。」

第68話→←第66話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。