三話 ページ5
聖書 Doll
九体のうちの一体について、ここに書き込む。
【名前】ハナ
【年齢】15
【出身国】ドイツ
【容姿】右足がない、左足はつぎはぎが目立つ
【好きなもの】平和
【嫌いなもの】過去を思い出させること
【過去】ドイツで暮らしていたが、元の持ち主に左目を奪われる、見えなくなる。
【性格】クール
【セリフ】私は独りだ。
【一人称】私
【二人称】自分
【能力】???
─────────────
──
ページを持つ手が震える、リサも少し泣きそうだ、
酷いと思った、彼女は足や目を奪われて、ここにいるんだ。
「か、神の導きって…?」
リサが恐る恐る聞くと、ハナは落ち着いた声で、こう言った。
「そこに、書いてあるでしょう…?」
一番前の章、
ここに選ばれし、九体の人形、
0時の鐘が鳴る頃、君らは終わらぬ悪夢を舞い続ける事だろう。
神に選ばれし、君らに、神からのご加護を与えんとする。
燃え狂う紅を思い出せ、
「これって…どういうこと、なの?」
私が聞くと、低い声が響いた。
「深夜の零時に人形同士の殺し合いが始まる、その為に僕らには神の加護、能力が授けられたってわけ、用は生き残れだってさ、」
後を振り向くと、漆黒の短い髪に不気味な肌と、目元を彩る紅が細く、刃のように、ひかれていた。
妖しく優艶な雰囲気を纏った姿が、なんとも美しかった。
「こ、殺し合い…?」
声が強張る、同じ人形なのに、どうして?
「リサ、だっけ、ここにいる人形の誰よりも、綺麗で美人だよね、羨ましいよ、僕らは、どちらにしろ、穢れているからさ、君だけだよ、綺麗なままなのは、」
妖しい雰囲気を纏った彼はリサを羨ましそうにほくそ笑んだ。
「僕は、
魏穏ははだけた着物を直さずにそのまま、スタスタと去っていった。
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