白昼夢【オリジナル】 (ページ11)

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白雪姫ページ11

雪解けのような白い肌に濡れ烏のような漆黒の艶やかな髪。バラ色の頬に長い睫毛はきめ細かく、まるで硝子細工のよう。

小さな手は真っ赤な薔薇を抱えて。鮮やかな赤をかたどった唇はくちづけを待っているようだった。ヒマワリの色とバラ色のドレスは眠っている白雪姫によく似合っていた。

棺桶には色とりどりの花たち。周りには嘆く小人たち。

白雪姫は真っ赤な果実をかじって、眠ってしまった。「嗚呼、なんて美しいのだろう。我らの白雪姫は！」一人の小人がそう言った。これは魔女の呪いだ、死んだというよりは眠っている状態なのだ。「生きれば必ず老いて、醜くなるだろう」「嗚呼！そうだ。白雪姫は永遠に眠っていてもらおう王子なんぞにやるものか！我らの姫の美は永遠なのだ！」小人たちは毎日眠り続ける白雪姫の世話をしました。

新しいドレスを拵えるなり、宝石を付けてあげるなり、新しい花を飾ってあげるなり。

小人たちは幸せでした。一生この美しさを七人で独占出来るんですもの。嗚呼可哀想な白雪姫。

貴方はもう目覚めない。眠り姫のように。

小人たちはやがて、老いて亡くなってしまった。皆最後には白雪姫の雪解けのような白い小さな華奢な手に接吻をして。「お慕いしております。我らの眠り姫」と。言い残し、ついには七人亡くなってしまいました。小人たちは老いて、皺くちゃで醜くなりましたけれど、白雪姫だけはずっと、美しいままだったのです。

嗚呼。今日も白雪姫は待ち続ける。王子の口づけを。

そっと、薔薇に触れるように、優しく甘いくちづけを。

可愛そうな白雪姫。貴方は眠っている限り、永遠に死ぬことは許されない。

終わらない悪夢で彼女は何思う？