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4cm。 ページ5

「山本くんと2人で話すってなんか珍しいね。」


「まあ、普段はあと5.6人ぐらい人いますしね。」


あの後、橘さんオススメのパスタ屋さんに行くことになった。
ここすっごく美味しいの!なんて言って、いつものどこか大人っぽい雰囲気ではなく、子供のようにはしゃぐ橘さんもまた可愛いと思ってしまった。


(僕ってこんなに気持ち悪い性格だっけ…)

恋とはいかに人を変えてしまうのかを体感し、少し怖くなる。


お互いに微量ながら酒も入り、先ほどよりかは会話も普通に交わせるようになった。僕としては大きな進歩だ。



「橘さん、オフィスの時と大分雰囲気違いますね。」

「そ、そうかな?」

「はい。いっつも大人びててクールに振舞ってましたし、なんか硬い人なのかなって思ってたんですけど」

「…けど?」

「こうやって話すと、すごい楽しいし、お姉さんって言うより反応が小さい子供みたいで可愛いです。」


酒のせいか、可愛いという言葉も抵抗なく出てきた。僕自身それに気づいてももう取り繕うことはしなかったし、橘さんもあんまり気にしていない。心做しか橘さんの頬が赤いのは、きっとお酒のせいだろう。



「ね、ねえ。山本くん。」

「なんですか?」



声をかけられたものの、橘さんは次の言葉をためらっていた。その姿は、さっき分かれ道でご飯に誘われた時と同じ感じ。


「せっかく仲良くなったんだし、下の名前で呼んでいい?」


少しだけ恥じらいながらそういった。きっとお酒のせいもあるんだろうけど、ほんのりと赤く色付いた頬がやけに色っぽい。


「いいですよ。じゃあ、僕もAさんって言っていいですか?」

「うん!ありがとう、祥彰君。」


やけに名前のところを強調して言ったものだから、変に恥ずかしくなる。名前で呼ばれたのなんていつぶりだろうか。そんなことを考えながら、恥ずかしさを誤魔化すようにお酒を口に運んだ。

5cm。→←3cm。



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(プロフ) - AIKAさん» コメントありがとうございます!次回作も頑張らせていただきます! (2019年1月13日 23時) (レス) id: de60348c8b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 東雲なのさん» 度々コメントありがとうございます!!東雲様のコメントが励みになりました!こちらこそ最後までありがとうございます! (2019年1月13日 23時) (レス) id: de60348c8b (このIDを非表示/違反報告)
AIKA(プロフ) - 完結おめでとうございます〜☆前作に引き継いで、すごくいい作品でした…!次作も楽しみにしてます。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: f10a4e8199 (このIDを非表示/違反報告)
東雲なの(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!このお話大好きだったので更新がなくなってしまうのは少し悲しく思いますが楽しませていただきました、ありがとうございます!! (2019年1月13日 19時) (レス) id: cdd7024e15 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 東雲なのさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!! (2019年1月9日 19時) (レス) id: de60348c8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年12月11日 23時

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