±1cm。 ページ28
「…ということです。」
「まあ、大変だな。」
「もー、他人事だと思って!」
「だって他人事だもん。」
そう言えば、Aちゃんは酒で赤くなった頬を膨らませて俺に怒る。なるほど、山本とか川上が惚れるのもわかるな。なんて、心の中で呟いた。
話を聞くところによれば、山本関連で色々あったらしいけど。本当にこいつら、板挟みで恋愛相談される俺の身にもなってくれよ。まあ、大事な友達だからいいんだけどさ。
「須貝さん…私、もうダメかもしれないです…。」
「なーに言ってんのさ。」
「だって…!…祥彰君にはバカとか言って泣いて家から飛び出しちゃったし…川上くんだって迷惑かけてるし…。」
「そう…だけど、」
そんなことない、とは言えなかった。確かにそれは事実だったから。けれど、よくよく考えればいろいろと矛盾が生じていることに気づく。
「Aちゃんと川上って、そのカフェのオープンの日に付き合ったの?」
「そうですよ。その時にデートしてる二人を見たんで。」
やっぱり、何かおかしい。俺の記憶が正しければ、山本はその時はまだ付き合っていなかった。逆に山本も、その店で川上と二人でいるAちゃんを見かけて山森さんと付き合ったんだ。
「なるほどね…」
誰にも聞こえないようにぽつりと呟いた。ようやく合点があった。
要に川上は、Aちゃんにカマをかけたんだ。山本が付き合ってないことくらい、あいつも分かっていただろうに。
案外ずるいやつだな、と笑いがこぼれた。
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雪(プロフ) - AIKAさん» コメントありがとうございます!次回作も頑張らせていただきます! (2019年1月13日 23時) (レス) id: de60348c8b (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 東雲なのさん» 度々コメントありがとうございます!!東雲様のコメントが励みになりました!こちらこそ最後までありがとうございます! (2019年1月13日 23時) (レス) id: de60348c8b (このIDを非表示/違反報告)
AIKA(プロフ) - 完結おめでとうございます〜☆前作に引き継いで、すごくいい作品でした…!次作も楽しみにしてます。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: f10a4e8199 (このIDを非表示/違反報告)
東雲なの(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!このお話大好きだったので更新がなくなってしまうのは少し悲しく思いますが楽しませていただきました、ありがとうございます!! (2019年1月13日 19時) (レス) id: cdd7024e15 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 東雲なのさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!! (2019年1月9日 19時) (レス) id: de60348c8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪 | 作成日時:2018年12月11日 23時