目が覚めたら、“呪い” とやらがいました 2 (ページ15)

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パ「よ」
棘「高菜」

『棘先輩、パンダ先輩！』

2人揃って片手上げて歩ってきた

『あ、野薔薇があっちに…！』
パ「そっちは真希が行った」

『真希さんナイス！』

自販機の方を指差したら、パンダ先輩に即答された
私の目の前まできて、パンダ先輩がキョロキョロしながら「恵は？」と聞いてくる

『さっき、東堂に上まで殴り飛ばされました』

『ほら』と後ろのボロボロになった柱達を見せる
パンダ先輩、ドン引きしながら「うわ」って言わないで

パ「今から建物ん中上がってくの時間かかるな…」

『じゃあ私が2人を投げ飛ばすよ』

『こうやって、ほら』と去年体育祭で男子が棒倒しの時にやってたみたいに屈んで構える

棘「おかか！」

『大丈夫だって、心配しない！
　間に合わないんじゃないの？』

棘「いくら」

『流石になんも使わないんじゃそこまで高く上げられないよw
　個性使って身体能力あげるから、2人もただ投げ飛ばされるよりも高く飛べる
　一瞬で余裕で上に行けるよ』

それでも「でも…」と言いたげな雰囲気の棘先輩に、パンダ先輩が「んじゃあ頼むわ」と棘先輩の腕を掴んで少し離れた
私も少し位置を調整し直して、確実に上まで飛べる場所に移動する

『バッチコーイ！』

パ「なんだそれw
　ほら棘」

パンダ先輩に軽く背中を押されて決意したのか、猛ダッシュで私の手のひら目がけて走ってくる
それを見ながら、自分自身にも【目を醒(さ)ます】をかけて身体能力を引き上げる
右足が手の上に乗ったのをちゃんと確認して、テンポを合わせるように上に投げ飛ばず
上に無事に着地したのを足音で確認して、また屈んで構える

『棘先輩は上ついたから、次パンダ先輩』

パ「サンキュ」

パンダ先輩も、棘先輩ほどではないけどダッシュで私を目がけて走ってくる
パンダ先輩の足が乗ったのを確認して、棘先輩の時みたくテンポを崩さずに上に投げ飛ばす
パンダ先輩も着いたのを確認して、脚力だけを使って上まで飛ぶ

ちょうどパンダ先輩が東堂と恵の間に着地した瞬間だった

＊