二十七話 ページ28
○
安定「で、お前何者？ 人間じゃないよね？」
目の前の黒髪の美しい金の瞳の女。
彼女は僕に手入れをすると、少しだるそうにお茶の準備をし始める。手入れといっても、資源無し、彼女の霊力のみでだ。
僕の傷は浅いものではなかったが、それをいとも簡単に治し、更にあんなに元気に動きまわれるなんて…
やっぱりこの女…普通じゃない。
最初、縄で縛られていたのは驚いたが、これは彼女がやったのでなく、彼女の隣で僕を睨んでいる鳴狐がやったものらしい。
聞けば鳴狐も彼女に助けられたのだとか。
僕もうろ覚えだが、恨み辛みで狂ってしまった僕を闇から救ってくれたのを覚えている。
命の恩人だ。
『私は人間ですよ。それと、早くお帰り下さい。
謝罪もしましたし、お詫びの品も渡しました。
他に何の用があるんです？』
彼女は湯飲みを僕に差し出すと、探るような視線を僕に向ける。あくまでもニコニコしているが、声音は冷えきっていた。
歓迎はされてないな…
僕はその笑顔に意を決して話を切り出した。
安定「お前はさ、この本丸の審神者なんだろ？ だったら傷ついた刀剣を癒すのはお前の義務…」
『何が言いたいのです？』
安定「…清光を助けて欲しいんだ」
『きよみつ…？』
安定「僕に…何したって構わないから、清光を…ア
イツを助けてやって欲しいっ…」
僕は頭を畳にこすりつけ、彼女に懇願した。
断られるだけじゃ済まないかもしれない。
当然だ。僕は彼女を殺そうとしたんだから。
でも、アイツが助かるなら…
『…』
しばらく彼女からの言葉を待っていると、肩にポンと手を置かれた。
『顔を上げて下さい』
そんな彼女の優しい声が聞こえた。
恐る恐る顔を上げると、嘘の無い笑顔で僕を見つめる彼女がいた。
『安定様はその方が本当にお大事なんですね』
その太陽のような笑顔は、何故かとても、いとおしく思った。
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白夜狐(プロフ) - コメントありがとうございます！応援していただけてとても嬉しいです！なるべく更新できるように努力しますので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (2019年3月28日 14時) (
レス) id: 770b28e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
月音(プロフ) - 更新が楽しみです！！頑張ってください！ (2019年3月22日 5時) (レス) id: 0983f02872 (このIDを非表示/違反報告)
白夜狐(プロフ) - コメントありがとうございます！小説を楽しんでいただけて良かったです！更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします。更新できずにホントにすみません！ (2019年3月21日 20時) (レス) id: 770b28e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
薬研(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！！ (2019年2月17日 19時) (レス) id: 74634cbff4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜狐(プロフ) - コメントありがとうございます！もっと面白く物語を展開出来るようがんばります！ (2019年1月26日 15時) (レス) id: 770b28e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜狐 | 作成日時：2018年4月18日 6時
