金曜日のサプライズ(2) ページ10
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「風磨くん……」
「ん、あげる」
ぽいっと私に雑に花束を渡す風磨くんは、すぐそばに座って私をじっと見つめた。
「さっき……」
「みた?もうさ、熱愛とかいい加減にしてほしいよね。Aが最近不安そうなのも、俺にバレないようにしてたのもわかってた。俺はAしか見てないけど、言葉だけじゃ、足りないかもしれないから」
パカッと、風磨くんがベロア素材の箱を開ける。ああこのシーン、夢に見ていたものと同じだ。
「俺と結婚してください、一生俺のそばにいてください」
私はよれた部屋着で、いつもと変わらないリビングで。 風磨くんは私に永遠を誓った。
「っぅ〜……」
嗚咽を漏らしながら もそもそと風磨くんの腕の中に逃げ込む。 噂が出てから 信じてはいても 可愛い女子アナの顔を浮かべるとどうしても不安にはなる。それを全部、風磨くんは消してくれた。
「風磨くん……だいすき……、うれしい。よ、よろしくお願いします……」
風磨くんの服を涙で濡らしながらも 返事を返すと、深いため息をつきながら 私のからだをつつみこんだ。
「……俺、離す気ないけどいいですか」
「はい」
「一生逃がしてあげられないけど、いいですか」
「もう、風磨くんうるさい!私は風磨くんじゃなきゃ嫌です!」
どうして、私はともかく 風磨くんみたいなかっこいい人がこんなに不安になるのだろうか。私だって風磨くんしか、見てないのに。
「返品不可です。……俺も返品できません」
……またそんなこと言って。
「一生大事にしてください」
「もちろんです、俺のお姫様」
柄でもないことを言いながら、そっと私に、輝くダイヤが真ん中についた指輪を薬指にはめた。
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ゆき(プロフ) - わらびもちさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね…!タイムリーすぎてびっくりしました…!お身体ご自愛くださいね(*´-`*) Twitterでリプとか下さってたお話たちもいつかかたちにできるよう頑張りますねd(˙꒳˙* ) (2022年6月5日 21時) (レス) id: d091d9d96a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - あいさん» あいさん!いつもありがとうございます(′;ω;`)なんと1週間でちゃんと終わらせちゃいました(笑)日々の楽しみになってたら嬉しいので、またこういうかんじのやろうと思います(つω`*) (2022年6月5日 21時) (レス) @page14 id: d091d9d96a (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - ふうまくんと一緒に胎動を感じられるなんて最高すぎて、、、私事ですが妊娠中でしてまだ胎動はないんですがちょっとかなり妄想が膨らんでとっても楽しみです。そして、ふうまくんとごはんの約束だけで、1週間と言わずしばらく仕事頑張れますよね!定期的に約束欲しい← (2022年6月1日 19時) (レス) @page5 id: a7ce080509 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ゆきさん!新作嬉しいです♡月曜日で既に疲れ切ってたけど頑張れます。のんびり楽しみに待ってるのでゆきさんのペースで書いてください。 (2022年5月30日 22時) (レス) @page3 id: ec6f87712f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2022年5月30日 22時