風磨くんと 恋したい ！(短)

月曜日のカフェラテ(2) ページ2

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自販機には先客がいた。
すらっとした体格の彼は……。


｢あれ、はやいじゃん｣
｢……菊池くん！わ、ラッキー……朝から推しに会えた｣
｢ずっと言ってくれてるけど、なに？その推しって｣
｢菊池くん、好きだったゲームに出てくる推しに似てるの。だから菊池くんも推し｣
｢なんてやつ？｣
｢えっとね、蓮城寺紫苑様って言って……｣
｢様……？｣



早出してよかった！朝から同期でエースの菊池くんに会えるなんて！幸せ！



｢電車変えたの？｣
｢ううん 、仕事が落ち着くまでの間かな。全然終わらなくてさあ……｣


菊池くんとは部署も違えば、フロアも違うし
お互いの詳しい仕事内容はあんまり知らなかったり……。


｢あ、｣


ふと思い出したように菊池くんが小銭を自販機の中に入れた。私をちらりと一瞥して、カフェラテをチョイス。



｢はい、これで仕事がんばって｣
｢わ……推しからのプレゼント……、一生大切にするね｣
｢いや、すぐに飲んで？｣


本当はブラック飲んで、頑張るぞーって気持ちにしようとしてたけど……菊池くんがくれたものならなんでもいい、なんでも優勝。


｢これで今日頑張れるよー、ありがとう｣
｢単純だなぁ｣


立ってるだけでもかっこいいのに、笑顔なんて見せられたらもう、たまんない。


……そんなことで？ってなるかもだけど、これも 働くためのモチベのひとつじゃない？社内での推しの存在って。


｢ねえ、今週の金曜ってひま？｣
｢あけます｣
｢え、いいの？｣
｢元から何もないし菊池くんのためなら何があろうとあけます｣


｢じゃ、ごはんいこ。それ楽しみに1週間がんばれる？｣
｢がっ……、そんなこと…… もう悔いはないです……｣
｢いや、生きてね？｣


推しとごはん……？ほんとに？




｢じゃ、今週もがんばろうね｣




そう言って菊池くんは私に笑いかけた。

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