Who is my prince? (ページ19)

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おっ、お似合いだよね！すごく！わかる～！
その人見たことないけど、きっとすごい綺麗で
美男美女カップル！すてき～！

……いや、きっと何も言わない方がいい。
ショックだもん。

身の程を知れってこういうことか。

「中西さん？」
「え、あっ、なに？」

授業中
ぴたりとくっつけられた机のせいで
佐藤くんとの距離なんて
ほぼ、ないに等しい。

たまにのひそひそ話
なんて日常茶飯事

だけど今日は
噂話をきいちゃったせいか
ぎこちない(私だけ)。

「次あたるのにぼーっとしてるから。
答えしりたい？」
「……教えてほしいです」

ちょうど真ん中に置かれたノート
細い指が指す答えを覚える。

「じゃ、次を中西」
「よ、4X+3……」
「はい正解。今日も佐藤と中西は仲良しだな」

いや、答え教えてもらってんの
バレてるんかーい。

それより仲良しなんて……。

「俺ら仲良しだって」

頬杖ついて目を細めて笑いながら
私を見つめる佐藤くんは

もう、信じらんないぐらい綺麗で。
だからこそ。

「迷惑だよね、そんなこと言われて」
「え？」
「佐藤くんには、ほら……みすこん？の人がいるのにね」
「……どういう意味？それ」

目を細める、っていうのは変わらないはずなのに
なぜか佐藤くんのまわりの空気がピリッとしてる。

だって、嫌じゃない。
私も私でクラス内に変な噂流れちゃってるけど

好きな人に、もうお相手がいるなんて

釣り合ってないってわかってたとしても
出来ればしばらく知りたくないじゃない。

せめて片思い、楽しみたい。

あ、両思い、なの？
なんて誰かが作り上げた噂による
勝手な私の自惚れを

もうちょっと味わいたかった、なー……なんて。