お姫さまには、まだ遠い？ Fuma.K

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｢はやまらないでよ。そんなに思いつめてたの？｣




たぶん、今まで見てきた人の中でいちばん綺麗な顔をしてる。あまりにも左右対称な小さなお顔に、ちょっとつり上がった瞳……私はこの瞳に見覚えがあった。





｢ショーリ……ごめん、なんの話？｣
｢え？｣
｢え、あの、あれ……｣



注目されていないことに気づいたのか 不服そうに 唸り声をあげるマリウスを指さす。



｢もうちょっと近くで見たかっただけなの……｣
｢……まぎらわしいっ、俺はてっきり……また、同じことが……｣


今にも泣きそうな顔してる。

きっと、飛び降りるんじゃないかって心配してくれたんだ。

……なんとなく、真相に深く触れるのはタブーな気がしたの。



｢ごめんねショーリ。心配させちゃって……ありがとう｣
｢別に、違うならいいけど……｣


ショーリ もしかして 無自覚だったかもしれないけど……

ヒトの姿になって とっさに私を助けようとしてくれたこと、本当に嬉しかったんだよ。

厳しい言い方をするときもあるけれど
本当は優しいって、わかってる。



｢ショーリ｣
｢うん？｣
｢だいすきだよ｣
｢なっ……！？｣



マリウスも、ショーリも
もうとっくに だいすきになっちゃったんだよ。

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