可愛い君は、俺のもの。 Fuma.K 3

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｢……人生で食べたお肉の中でいちばん美味しい……｣
｢ほんと？よかったぁ。がんばってリサーチしたかいがあった｣


紫耀くんが予約してくれた 明らかに高級そうな 個室のレストラン。
ほっぺたがおちるという言葉はこの料理のためにあるんじゃないかと思うほどに美味しかった。


映画を見て、ご飯を食べて
デザートまで平らげてまったり。


クリスマス、男の人とすごす日がくるなんて思ってなかった。


紫耀くんに恋人ごっこを提案されたあと
答えをなかなか出せなかった私に
クリスマスの予定はどうしても予約したいと言われた。


……相手がいない私に断る理由なんてないじゃない。



｢あのね、Aちゃん｣
｢うん？｣
｢健人くんに Aちゃんをすすめられて、はじめて会った時、 こんな可愛い子がほんとに彼女だったらいいのにって思った。 いつだって可愛いリアクションも ずっとそばで見られたら どれだけ癒されるんだろうって思ったよ。 Aちゃん、もう一度言わせてね。

恋人ごっこじゃなくていい、俺のことをなんとも思ってなくてもいい。 きっと好きにさせるから 俺の彼女になってくれませんか？｣




｢……どうして、紫耀くんみたいな素敵な人が 私のことを思ってくれるのか 本当にわからない。 経験もないし、トラウマ持ちだし いいとこなんて何もないのに。

……でもね、本当に嬉しかった。紫耀くんみたいな優しい人だから 男の人が怖かったのに こんなに仲良くなれた。

……だから｣



何回も考えた 紫耀くんみたいな人を好きになれば 絶対幸せなのにって。好きになれたらいいのにって。


小さいときに夢みてたような恋愛にきっとなるはず。


いつまでたってもフィルターは消えなくて
あと何をされたら ようやく恋がさめるんだろう。


行き着く先が地獄でもいいよ
私がいちばんバカだって、自分でわかってる。




｢……ごめんなさい、私 紫耀くんの気持ちには、答えられない｣

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