可愛い君は、俺のもの。 Fuma.K 3

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｢Aが痛い思いするのやだから｣
｢私だって……風磨くんが痛い思いするのいやだよ……｣


そっと 頬に手を添える。
ひどいクマ……絶対眠れてないでしょう？

なぜか嬉しそうに目を細めて、私の顔から手を離すと その上から重ねてきた。


｢A、俺のこともうやだ？｣
｢え？｣
｢Aは俺がいなくても全然平気そうだけど、ていうか めちゃくちゃいきいきしてたじゃん。俺はダメだった。……お願いだから、前と同じようにして｣


前と同じって 恋人ごっこのこと？
……そんなの、そんなことしたって……。



｢風磨くんと恋人ごっこはもうしない｣



風磨くんにとっては 私とのキスも それ以上も
なんとも思わないんだろうけど

私にとっては大事なことだった。



｢ごっこ遊びはもういらない｣



ちゃんとした恋愛をしたい。
ちゃんとした恋愛をしてほしい。

風磨くんしか知らない私には 何が普通で、何が正解なのか明確な答えはわからないけれど

私たちが異常なことはたしかだ。


すぐには無理でも、いつかは必ず
笑い話にできるようにするから……




｢……私に気持ちがないなら、そばにいてくれたって ちっとも嬉しくない｣




これ以上、不誠実な付き合い方をしたくない。


好きじゃないのにできるって、風磨くんが思っている以上に残酷だよ。





｢……新しい好きな人作るから｣
｢できるの？｣
｢できるよ。私のことよく考えてくれて 大事に思ってくれる人がいる。……私も、好きになれたらって思ってる。本当だよ｣
｢……そ｣



するりと手を離して
私から距離をとった。



｢じゃあ、お幸せに｣














これでよかったはずなの、だって いつまでたっても風磨くんがわからないままだから。

新しい好きな人なんて、作ろうと思ってできるわけじゃないのに。

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