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朝起きると、もちろん彼はいなくて
私の頬には乾いた涙のあとがあった。
……久しぶりに、ここまで泣いたかもしれない。
ふうまさんの夢を見るようになってから
泣く回数は圧倒的に増えた。
でも、私もそれを後悔したことなんてないです。
まだ6時にもなっていないのに、ずっと数字がたまっていた菊池先輩とのトークを開く。
今までのものは、ちょっとスルーさせて頂いて 新たなメッセージを入力した。
【先輩今日お話したいことがあります】
もう起きていたのか、たまたまなのか
すぐに既読がついた。
【俺もある】
菊池先輩、先輩にそっけなくするなんて
私はとんだバチあたりですね。
今日でそれも終わりにします。
いつもよりずっとはやく
学校に行く準備をはじめた。
・
「思ってたよりはやくてびっくりした。もう気が向いたの?……ていうか、今日はまた盛大に泣いたんだな」
「うっ、ひっく……」
「現在進行形は久しぶりに見たな」
わかっていて話すのはとても怖い。
この結末からは抗えない。
でもさすがに、会うまでに泣きやみたかったのに。
無理やり強くゴシゴシと顔をこすっていたら
菊池先輩が腕を強く掴んだ。
「お前は何回俺に泣き顔見せたら気がすむの、」
両頬を優しく包み込んで 目が合うように上を向かせた、
「……菊池先輩」
「なに?」
「ぎゅって、してください……」
そうじゃないと、今にもここから逃げたくなる。
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作者名:ゆき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2021年8月22日 22時