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｢生まれ変わりだとしても、彼は俺じゃない。君は君の時間を生きてほしい｣
そんなことを急に言われても……、あなたのことを忘れるなんて、嫌だよ……。
｢現代の俺のことを、探してくれてありがとう。でも、君は過去に縛られてはいけない。戻れなくなる前に……どちらかを選ばないと｣
｢でも私……ふうまさんのことを忘れたくありません……。過去の私との素敵な思い出をなかったことにしたくない……｣
もうすぐ、2時半になってしまう。
きっと、ふうまさんがここにいられるのは それまでだ。
｢……大切に思ってくれてありがとう。でも、過去と今を一緒にしてはいけないよ。もう君の中に答えはあるだろう？その涙を拭ってくれるのは誰なのか｣
いやだ、消えないで。お願い、いなくならないで……。
言いたいことはまだまだたくさんあるのに。
｢私は、何もあなたにできてないない……｣
｢もうじゅうぶんだよ、ありがとう｣
タイムリミットはすぐそこに。
｢ふうまさん……！あなたは、幸せでしたか……？｣
そう告げると、一瞬驚いたように目を丸くした。
｢……君は、やっぱり彼女にとても似ている。自分のことより俺のことを優先してくれる、優しいひとだった。
もちろん、幸せだったよ。彼女を選んで後悔したことなど1度たりともない。 だから、君も 後悔しないように、大事なものを失わないように｣
“ ありがとう ”
最後にそう告げられた気がした。
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作者名：ゆき
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2021年8月22日 22時
