菊池くんの彼女になるまで。

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英単語の小テスト、だいたい前後で交換して採点する。
菊池くんはやっぱり今日も満点だったから 花まるをかこう。

……ちょっと待って。

今日はアレンジしてみよう。顔を足してライオンにしてみた。お、可愛いじゃん。


｢相模さん今日満点じゃん。おめでと｣
｢ありがとう。菊池くんはいつもすごいね｣
｢ん……え、なにこれ｣
｢ライオン｣


点数を書き込む用紙はあるけれど、テスト自体を提出しないからって、ふざけすぎた？



｢俺も書いたげる。ちょっと待って｣


そう言うと、自分のものと 私のテスト…… 両方回収して前を向いてしまった。

それからなかなか返却して貰えず…… 今日はノート提出するって言ってたから いつもより気持ち綺麗な字で板書してみる。


授業終了間近、宿題だというプリントを前から回される際に 私のテストも一緒に。

……余白という余白に埋められた下手っぴな花まるライオン。いや、途中から普通のライオン描こうとしてるじゃん。


｢次に期待して｣
｢じゃあ、満点とらなきゃだね｣


大量発生させるなんて、菊池くん意外と可愛いことするんだなぁ。

傍から見れば落書きなんだけど、まあ回収しないし……。



｢はぁい、じゃあ今日は小テストも回収するから、後ろから回してきてね｣




……おわった。





｢ねえ、“ も ” ってなに？｣
｢ノート提出だよ？今日｣
｢嘘じゃん……ほら見て｣


ノートの隅っこにまたライオンが……。何が菊池くんをそうさせたの？？


潔くそのまま提出する 。パラパラと小テストを先生が確認して 訝しげな目で私たちの方を見た。



｢……じゃあ、ノートとプリントを あとで準備に持ってきてね？ 菊池くんと相模さん｣




まわりの人から、どうしてあのふたり？って視線を向けられる。







それは菊池くんと私だけのひみつにしよう。
…………あと先生もだ。

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