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｢むり……しぬ、｣
隣に座るツバキちゃんの顔が真っ青だ。
車酔いするタイプじゃないからとバスの座席を後ろの方を選択した。
酔い止めを飲んでもきかなかったみたい。
｢ツバキちゃん、もうちょっとでトイレ休憩だからね｣
｢ん……｣
ぐったりと目を閉じるツバキちゃんは本当に辛そうだ。 帰りのバス……いっそ疲れで眠れたらよかったのかな。
前の方の人で誰かツバキちゃんと席交換してもらおう、今更感はあるけどちょっとでもマシかもしれないし……。
それから……トイレまでおくったあと
水を買って待機。
……ふう、私もちょっと疲れたし寝たいなあ……。
そこへちょうど、私服ではなく体操服姿の松島くんがあらわれる。……よっぽど楽しんだんだろうな。
松島くん……たしか最前だ。
｢あっ、松島くん！お願いがあるんだけどいい？｣
｢え、なに？｣
｢ツバキちゃんと席交換してほしいの……、車酔いみたいで、前の方座らせてあげたくて……ああでも、やっぱり彼氏の横で体調不良なとこ見せるのは嫌かなぁ……｣
｢ツバキちゃん……あ、カキハラさん！？ちょっときいてみるね｣
｢ごめんね、あれだったら私も一緒に席かわってほしい……｣
ぐっ！と親指を立てて 松島くんがバスに戻る。
｢……さがみん、｣
｢あっ、大丈夫だった？｣
｢んーん……何にも吐けなかった……｣
吐きたいのに吐けないのは辛いよね。背中を擦りながらバスに戻る。
｢あ、ツバキ。大丈夫だった？｣
｢勝利くん……？｣
｢こっち側おいで｣
わけもわからないといった顔で 私と佐藤くんの顔を見つめるツバキちゃん。
顔があまりにも小さくて綺麗な佐藤くんは
ツバキちゃんの彼氏さんだ。
｢前の方が酔いにくいかなって、かわってもらうことにしたの｣
｢や、やだ……勝利くんの前でこんなとこ見られたくない｣
可愛い柄のハンカチを握りしめて ひんひん泣き出してしまうところを見ると 余計なことしちゃったかなと、胸が痛くなった。
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ノエル - ゆきさんの作品が大好きで、いつも楽しく読ませてもらっています。今回も素晴らしかったです、とっても可愛くて大好きなお話です！ (2022年8月19日 22時) (
レス) @page38 id: b8b7f35909 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ことりさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます（ ; ; ）私とっても付き合ったあとを書くと蛇足になってしまって苦手で…想像して楽しんで頂けたらなあと思います(*^^*) (2021年12月29日 22時) (レス) id: d091d9d96a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます！やっとタイトルに書いてる日をむかえることができて(？)良かったなあと思います(*^^*) (2021年12月29日 22時) (レス) id: d091d9d96a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ちゃずさん» コメントありがとうございます！まさか私まで可愛いって言って頂ける日がくるなんて思わなかったです(笑)新作の方も頑張って書いてるので、よろしくお願いします(* 'ω' *) (2021年12月29日 22時) (レス) id: d091d9d96a (このIDを非表示/違反報告)
ことり - すてきな作品で更新されるのが楽しみで仕方なかったです。完結してしまって寂しいので続編も作っていただけたら嬉しいです！！ (2021年12月19日 2時) (レス) id: de62572e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2021年7月31日 23時
