１５ 会議 ページ31
ｂｙ赤葦
黒尾｢ちょっと良いか？｣
夕飯を食べ終わった後の静寂を破ったのは黒尾さんだった。
雄大｢？｣
A｢どしたの？｣
黒尾｢あー…男だけの話だ。お前は早いとこ風呂入って寝とけ｣
A｢えー、先輩にハブられたー……｣
ちぇーと言いながらリビングを去って行ったAさん。
黒尾｢………よし、出てったな。赤葦、ドア閉めてくれるか｣
赤葦｢……わかりました｣
＜ガチャン＞
ドアを閉めたリビングに再び静寂が戻る。
雄大｢…で、何？｣
黒尾｢皆、気付いてるよな？……Aの様子がおかしいこと｣
皆……俺も、黙って首を縦に振った。
黒尾｢今日、ハンターを殺そうとしたんだ｣
孤爪｢窓が割れた音は聴こえた…｣
雄大｢そのあと、ザンッってのも｣
赤葦｢そういうこと、だったんですか……｣
黒尾｢まあ結果は殺してねえけど。……どうする？｣
雄大｢…俺は、たった一人の家族を人殺しにはしたくない。だから、出来る限り阻止したい｣
黒尾｢俺も概ねそんな感じだ。後から気付いて傷付いてほしくない。｣
孤爪｢俺も。｣
赤葦｢俺もそうですけど……。でも、悪化して止められない状態になったらどうしましょうか｣
黒尾｢…問題はそこなんだ。｣
雄大｢俺は否が応でも止める。力ずくになると思うけど｣
そう言って窓の外の空を見る雄大の横顔が、なんだかとても格好よかった。
真っ直ぐな目。
決心した者の、目。
――じゃあ、俺は？
俺はAさんのために何ができる？
黒尾さんみたいに力や言葉で人情をどうこうする力もない。
雄大のように只ひたすら真っ直ぐ前だけを見て、決心する強い意志もない。
足りない物ばかりな俺に、何ができる？
俺が、…俺だけがAさんのためにできることって、何だ？
- 金 運: ★☆☆☆☆
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天。 - あ、ありがとうございます！！褒められたのは初めてで……。とっても嬉しいです！ (2017年1月26日 6時) (
レス) id: 36a48fe0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ねこのしっぽ - 初めまして、ねこのしっぽです。吸血鬼の話、好きなのでよく(？)読んでるんですが、主人公が吸血鬼の話は読んだことないので、すごくおもしろいです！あと、クロ、ハンターだったんですね(笑)スガさんも(笑) (2016年11月23日 21時) (レス) id: 1bdfc3acd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏。 | 作成日時：2015年5月4日 16時
