忍びと方向音痴の剣士 (ページ25)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:7,629 hit

２４話ページ25

あ「黒犬…だと？」

セツナの言葉に、Aは目を見開いた。

セ「ゲホッ…黒…犬様が、貴方様の船を…襲うように……ジョーカーの…手先と…手を組んで…っ！！」

ポロポロと涙を流しながら、セツナは必死に言葉を話す。

あ「やはりあれは黒犬の仕業か…セツナ…本当に辛かったな…もうゆっくり休め。」

セツナの胸の上に赤い羽根を置くと、Aはヴェルゴに勝ったローをみた。

ロー「…ソイツはお前の部下だったのか？」

あ「あぁ…ロー…いや、何でもない。」

Aはチラリと海兵を睨みつけると、セツナを横抱きにして歩き出す。

あ「ルフィ！！」

ル「あー！やっときたなA！ん？そいつ怪我してんのか！？チョッパー！ちょっとみ…」

あ「ルフィ…セツナはもう死んでる。ただ、故郷に埋葬したいんだ。」

セツナがここにいる意味を…Aは知っていた。

それは故郷であるカゲロウ島が近くにあるということだ。

そして、みんなはトロッコでここから脱出するようだ。

私はセツナをそっと抱き抱え、女の海兵の前に寝かせ、マントを掛けてやる。

た「…なぜ、この人を連れてきたのですか？もう、死んでいる筈なのに。」

ふと、女の海兵が聞いた。

あ「…セツナとは、親友だった。そして、部下だったのさ。…だが私はある日を境に死んだことになった。知ってるだろ？黒狐を。」

Aの言葉に、スモーカーとたしぎは驚いた。

ス「まさかてめえが黒狐か？」

あ「そうだ。」

た「でも！麦わらのルフィとあなたは義兄弟…なら出身は東の海では！？」

たしぎは驚きながらも必死に叫んだ。

あ「新世界から私は東の海まで流されたのさ。意識は無かったが、目が覚めたら…ルフィに出会った。」

ス「カゲロウ島…ってのは実在するのか？」

あ「実在する。…入れるのはカゲロウ島の特殊なルートを辿らなきゃ辿り着けず…霧の中で食料も尽きて死に至る。」

た「そして島のものはルートなど辿らずに進めるという幻の島。そしてワノ国よりも栄えた忍び大国…。」

たしぎはふむふむと言いながらメモを取っていく。

あ「まぁそういう事だ。アンタらは真っ直ぐベガパンクを目指して帰れ。それと…これを青雉のアホに渡しといてくれ。」

あ「会ったときで構わない。」

そう言うと、Aはハヤテの隣に座り、眠った。