#14鎌 ページ14
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『そらる、君目があったとき何であんな真っ赤だったの?』
時刻は午後5時過ぎ。定時にあがれる働き者の方々がぞろぞろ帰りだす。私は…うん。いつも通り残業コース。
天月君や、永倉さんをはじめ、その他の新入社員は初日だ。ということで、先輩社員が彼らの仕事を片付ける。
「……」
『なぜそらす』
休憩がてら、めずらしく仕事が残っているそらるに今日のことを聞こうと思ったのだが……
『おーい、そらる?』
「……」
絶賛無言を貫き通している。
……というか
目も合わせてくれない。
なに、私なんかしたか?
しばらくストーカーのごとく一方的に話しかけていたら、いつの間にかみんな新入社員の分も仕事が終わったらしく、オフィスには私とそらる二人だけになっていた。
「……」
『……』
彼のデスクの上の紙束は着々と減ってきているが、まだ殆ど残っている自分の仕事量に焦りを感じる。
仕事を片づけるべく、デスクに戻ろうとした……”した”
『おわっ』
が
「ん……」
相変わらず無表情なそらるの手によって
彼の腕の中に、倒れ込んでしまった。
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作者名:まんぼうコロッケ | 作成日時:2018年8月15日 19時