ユーキ王子の心を奪いたい！ (ページ5)

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第5話￤水金地火木土天ページ5

次の日、私は昨日と同じ5限に授業をサボって屋上に来ていた。

ここに来れば、また王子が現れる気がしたから。

昨日と同じ入口の方からの死角でぼんやりしていると扉の開く音がした。

ちらーっと覗くと、予想とは違う人物が入って来た。

その人物は私に気付くと、「あれ」と声を出した。

「だれ？」

首を傾げて聞くと、金髪の彼は微笑んだ。校則緩いにしても金髪は凄いなあ。

「小笠原海だよ、3年の」

「え、あ、3年生！？ごめんなさい、私は2年の」

「松尾Aさんでしょ？」

「え、なんで？」

カイ先輩が口にしたのはたしかに私の名前だった。

「可愛いって有名だし、知ってるよ」

優しい笑顔を見せるカイ先輩。男の人に直接可愛いなんて言われたのは久しぶりで少し恥ずかしい。

「そう、なんですか」

「照れてるの？やっぱり可愛いね」

「からかわないでください」

紳士というか、女慣れしているというか、そんな印象。

「ごめんごめん。そういえば、誰か待ってたの？」

首をかしげてこちらを見つめてくる。

「ユーキ王子です」

「なんで？Aちゃん、あの王子に興味あるタイプに見えないけど」

「昨日、興味が湧いちゃって、聞きたいことが出来たんです」

「聞きたいことって？」