ユーキ王子の心を奪いたい！ (ページ13)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:23,307 hit

第13話￤君のFace ページ13

side￤Ｙ

ぶわっと、したらしい。

ユースケとかコーイチと話してる時レベルで自然に話していた自分に、彼女が出て行ってから気付いた。

素で笑ってしまっていた自分にも、後から気づいた。

「いやいやいや、ないってこれはマジで」

独り言を呟いて、その場にしゃがみ込む。

松尾さん、ああさっき怒られたんだっけ、Aか。

いやなんで俺素直に言うこと聞こうとしてるの。松尾さんのままでいいでしょ。

とにかく、松尾さんは気付いてないだろうけど

ぶわってきたらしい時、また顔が真っ赤だったから。

あの真っ赤な顔もずるいと思うけどね俺は。

昨日までの俺だったら「タクちゃんに怒られるよ」なんて言い訳もできたんだけど、誤解が解けてしまった今はそうも行かない。

いやちょっと待って何考えてんの俺。可愛いとか思ってないよね？

恋愛はかったるい、女の子は策士。

思い出せ！俺！

放課後、ユースケとコーイチと帰り道を歩く。

学校を出ると、さすがに親衛隊はついて来ないから平和。

「ユーキ！」

「え、なに！？」

ユースケの顔が近くにある。

「今日ぼーっとしすぎじゃない！？」

「そんなことないでしょ」

「そうかなあ、コーちゃんどう思う？」

「確かに、ぼんやりしとること多いな今日は」

コーイチにまで頷かれたら、勘違いでしょとは言えない。

「うーん。なんか頭から離れないんだよね。あの子の顔」

そう言うと、2人が身を乗り出してきた。

「え！？！？ユーキに好きな人！？」

「ほんまか！！やっとか！？」

「うるっさいよそんなんじゃないってば！」

そう叫んでずんずん進む俺だけど、

「そんなんじゃなかったらなに！？」

「恋する乙女は情緒不安定やなあ」

って2人のセリフ聞こえてるからね！もう！