織田作私、審神者になるよ。【文スト】【太宰治】【刀剣乱舞】【ブラック本丸】

11振り ページ11

______________そして、抱きしめた。



明石「なっ…！？」



太宰「…辛かったね。明石国行も、蛍丸も愛染国俊も。家族のような存在である人(かたな)を傷つけられるのは、私達の思いの外に辛いことだ。」


人生で唯一、家族のような存在だった“あの男”を思い浮かべながら、『人を救うことの素晴らしさ』が少しでも伝わるように___________








太宰「私はね、今になって思うのだよ。“人を思いやる心”ほど、この世に美しい物はない、ってね。

だが、美しい物は酷く脆い。人の持つあらゆる悪感情によって、いとも簡単に散ってしまう。

でも、美しい物は散ってしまっても美しいままだ。汚れる訳じゃあない。



自分の身を呈(てい)してでも人を思いやれる、幸せを願える君たちは、他にはない素晴らしさを持っているよ。

だから自分を責めるんじゃない。


大丈夫。







君たちにはもう、仲間がいるよ。」






蛍丸「…ぅあぁｯ…俺たちｯ…ずっとｯ…ずっと助けてってｯ…」

太宰「うん。」

愛染「周りがｯ…沢山の刀が傷つけられてｯ…けど俺たち何の力にもなれなくてｯ…」

太宰「そんなことないさ。今こうやって、皆を救う為に私達を信じようとしてくれているじゃないか。」

「「…うぁぁああん！！」」


二振りは一種の呪縛から解かれたかのように、私にしがみついて大泣きし始めた。



_____________その涙には、どれ程の悔しさが滲んでいたのだろうか。

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