とくべつだからね2 短編 〜by Kei.Ｉ〜

（3） ページ16

.




この時期の早朝はもう明るくて、早起きするにはありがたい。



A「よし。出来たー！」


二人を起こさないように注意しながらなんとか完成したお弁当。




自分の支度も急いで済ませた。




.




「はよー」と先に起きてきたのは慧くん。



A「おはよ、朝ごはん食べる？」

慧「.......」



あれ？、
いつもならご機嫌な返事でテーブルに着くのに、

今日は眠そうな顔のまま側に来るとのそっと上げた両腕を私の肩に乗せてきた。





慧「Aがいー。」


A「なに？」


慧「俺、Aが食べたーい。」



わざと聞こえるように耳に唇を寄せてきて、

離れたと思うと今度は視線を唇に移してゆっくりと近づいてくる。




.




A「！、ちょっとやだ、」


慧「やだじゃない。」




あと数センチのところでグイッと胸を押し返して抵抗。




A「だめだよ！ほら、聡ちゃんいるし........、」

逃れるようにチラリと寝室の方に視線を向ける。




慧「もー！......俺一人で寝たんですけどぉ、」




ベッドで眠る聡ちゃんの寝顔を見ながらいつの間にか隣で一緒に寝てしまった私。



アラームの音で目を覚ますと、慧くんはソファで眠っていた。




.





A「ごめんね？」


慧「だからチューしてくれたら許したげる。」



眠そうな、半分くらいしか開いてない目はとろんとしていて唇が触れそうなくらい近くに迫る。




.




.




聡「..........お兄ちゃん、だれ？」

（4）→←（2）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す