とくべつだからね2 短編 〜by Kei.Ｉ〜

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慧「んー、Aちゃーん！」


A「わ！やめて、今運転中だから危ない！」




帰りの車内。

ハンドルを握る私の隣、

助手席に座る慧くんは腕を引っ張ったり、
顔を近づけてキスをせがんできたり、

やたらひっつき虫。



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慧「ちょー塩対応！」


と、口を尖らせた慧くん。

そりゃそーだよ。
だって私、怒ってるんだもん！



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慧「何で来てくれたのー？」

正面しか見られない私の左側で、体ごとこちらを向けた助手席からの視線がやけに痛い。



A「えっと、......」



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A「鍵無いって言うから、」



......うそ。

ほんとはお姉さんと何してるの？とか、今日はちゃんと帰るのかな？とか。。

いてもたってもいられなかったの！




慧「......ふーん。そっか」



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慧「で、何でねーちゃん？」


A「え？」


慧「言ったじゃん、『慧の姉です』ってー！」


A「！あぁー......、」






だって、ね？



フロントガラスの上の方、ルームミラーに映る私はスッピンで、そういえばほぼ部屋着に近い格好だし。


あんなきれいなお姉さんの前で『彼女です。』なんて言う自信も勇気もなかったの。



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A「なんとなく？へへへ、」




......だってね、

お姉ちゃんなら少しくらいの過保護も許してもらえるかな、って。



無条件で特別な存在でいられる気がしたんだもん。




慧「じゃあ今日は甘やかしてくれんのー？」


A「だめですー！」




そんな事、
もし知られたら慧くんは「くだらねー」って笑うかな？


それとも呆れる？

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