第54話 ページ5
「アレクさん、すみません。」
「気にしないで。またいつでも僕が話を聞くよ。」
涙を拭いながら笑うと、彼も笑った。
きっとフェリド様とカミラさんの勘違いだ。
だってこの人はこんなにも優しいんだから。
「A様、少しよろしいですか。」
少し離れたところからそう言われて、私はアレクさんと一旦別れた。
呼ばれた方へ行くと、いつも私の世話をしてくれる吸血鬼がいた。
「どうしたんですか？」
「お話ししたいことが…。」
首を傾げながら彼女について行くと、着いたのは人間の服や食べ物を保管している倉庫だった。
「ここ最近、人間の食べ物や服が減っているんです。」
「え？それって…。」
「はい。誰かが盗んでいることになります。」
盗む…。
けどこの倉庫にわざわざ盗みに来るなんて、そんなことをしなくても頼めば少しはくれるだろうに。
「子供の悪戯でしょうか。」
「それが、なくなるのは大人のサイズの服なんです。食べ物もだいぶなくなっています。とても子供がしているとは思えません。」
「ここにいる大人って、劇団の人たちじゃ…。」
「はい。そう思い我々も彼らの住む場所を調べてみたのですが、何一つ盗った服も食べ物も出てきませんでした。」
彼女は困ったように溜息をついた。
「ですから、A様でしたら何か知っているかと思ったのですが。」
私が最近彼らと絡んでいるからだろう。
でもそんな感じはしなかった。
「すみません。私もよくわからないです。」
「そうですか。」
「…あ。」
「何か？」
「あの、もしかしたら全然関係ないのかもしれないんですけど…、」
そう言って彼女に話したのは、以前フェリド様が言っていたことだ。
ここで飼われているわけではないのに、妙に綺麗な服を着ていた男の人たちのこと。
「フェリド様はそれ以外特に何も言っていなかったんですけど、少し気になって…。」
「なるほど。ありがとうございます。」
そう言って彼女は他の吸血鬼のもとへ行きそのことを話しているようだった。
「なんか、怖いなぁ。」
そう呟いて、私は真っ青な空を見上げた。
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ユーリ(プロフ) - ローズさん» 読んでいただきありがとうございます！ルク様もカッコイイですよね！もし余裕があれば作成させていただきます！^ ^ (2020年4月19日 6時) (
レス) id: cebf47b228 (このIDを非表示/違反報告)
ローズ - 全部読ませていただきました。本当に楽しかったです！特にルク様がカッコよくて...もしよければルク様の小説見てみたいです^^ (2020年4月19日 5時) (レス) id: 9c4c55a475 (このIDを非表示/違反報告)
ローズ - 本当に楽しかったです！！ (2020年4月19日 5時) (レス) id: 9c4c55a475 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 藍風陽鈴さん» コメントありがとうございます！！私も続編作る方向ですのでその時はまた是非よろしくお願いします！！ (2020年3月8日 17時) (レス) id: cebf47b228 (このIDを非表示/違反報告)
藍風陽鈴(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日更新を楽しみにしてました。毎回キュンキュンドキドキニヤニヤが止まりませんでした笑続編も読みたいです……！ (2020年3月8日 14時) (レス) id: 5ab6d95f76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2020年2月9日 17時
