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第45話 ページ48

「最悪…。」


どうやら私は酔いが覚めても記憶が残るタイプらしい。

完璧にではないがなんとなく自分が酔っていた時のことを覚えている。


「あーもう!…ほんと最悪。」


ベッドの上で先程からずっとそう呟いている。

彼は今仕事なのだろうか、ここにはいない。


「やば、頭くらくらする。」


これが二日酔いというやつか。

しかしなんだ、クローリーしゃんって…。

恥ずかしいにも程がある。

それにアイツに…フェリドに…、


「だぁー!もういや!!」


思い出しただけでも恥ずかしくて嫌になる。


でもキスからのことはあまり覚えてない。
私が何かフェリドに向かって叫んだ気がするんだけど。

いや、思い出さない方が賢明かもしれない。


「あれ、起きてたの?」


突然ガチャっと開いたドアに一瞬だけ驚きすぐに布団をかぶった。

だってまともに顔なんか見れないもん。


「あらら。Aちゃん、まだ酔ってるのかな?」


フェリドはそう笑いながらベッドに座った。


「…ご、ごめんねフェリド。酔った勢いで、その…色々と、ご迷惑を…。」


「あはぁ。Aがそんなに反省してるの珍しいね。ま、確かに君からの熱〜いキスは驚きだったけど?」


「いやぁ!言わないで!!」


ガバッと起き上がって彼の口を両手で抑えると楽しそうに目を細めていた。


「そ、その…あの後なんかフェリドに向かって叫んだ気がするんだけど、変なこと言ってないよね?」


「…覚えてないの?僕になんて言ったか。」


「…?うん。」


なんだろう。
一瞬フェリドがホッとしたような残念がったような。


「…そっか。君はね、

“クローリーしゃんなんかだいっきらーい!だってデカいんだもーん!”

って叫んでたよ。」


「え…。ええ?!ほ、ほんとに?!」


「あの時のクローリーくん可哀想だったなあ。すごく悲しそうな顔してたなあ。」


フェリドはなぜか少しだけ楽しそうにしてケラケラと笑っていた。


「うぅ。穴があったら入りたい。」


「僕の胸なら空いてるよ?」


「はぁー。クルル様のところにでも行こうかな。」


「ねぇー無視しないでよ……ってクルル?!」


フェリドが珍しく大きな声をあげたのでびっくりして顔を見ると彼もなぜか驚いていた。


「え、なに?」


「A、クルルと面識あるの?」


「まぁ。」


そう言うとフェリドは何か珍しいものを見るかのようにして私の頰をペタペタと触った。


「君ってやつは…。僕の知らないうちにどんどん先へ行っちゃうんだから。」


「じゃあ追いかけなさいよ。」


そう言うと彼は少しだけ笑った。

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ユーリ(プロフ) - ゆゆ助さん» 大好きと言っていただけて嬉しいですっ。ありがとうございます! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - InaNyanさん» 頑張ってると思うと言っていただけて嬉しいですっ。今後もよろしくお願いします! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - いろいろ口だしてしまってすみません。この作品大好きです、更新頑張ってください! (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - InaNyanさん» ほんとにそれなです。ちょっと注文が多すぎるんじゃないですかね…?そんな言うんなら自分で書いた方がいいと思います。ユーリさんもあーしてこーしてって他人が細かく決めたものを書いていてもつまらないと思いますけど…。 (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
InaNyan(プロフ) - 夏季さん» これは私の勝手な意見ですが、作者様は作者様なりに頑張ってると思うのですが…。こんな部外者がすみません。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年12月7日 2時

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