第37話 〜昔話〜 ページ40
「ねぇ!AちゃんがCMやってる新作のリップ買った?」
「買った買った!可愛いよね!」
「ドラマとか映画でも最近よく見るよねぇ。」
「なんたって今人気No. 1の女優だもん!」
「それが私たちと同じ高校って……奇跡!」
そんな会話は至る所でされた。
高校に入学してもうすでに2年が経っている。
仕事と両立、とは流石にいかなかったが事務所に頼み込んだりしてなるべく学校には行くようにした。
学校は学べる事が多い、と昔から死んだ両親が言っていたからだ。
なんでも父と母は高校の同級生だったようで。
そこで愛を育んだとか語っていたような語っていなかったような。
私が9歳の時に交通事故なんて起こらなければ、今2人に聞けていたのに。
2年前まで一緒に暮らしていた祖母も亡くなってしまった。
辛かったが仕事仲間や同じ女優仲間に支えてもらった。
そう、私の人生はまさに素敵な友達で溢れている!
…と、思ってたんだけど。
「なんで、2年も経つのに友達できないわけ。」
いやみんな仲良くしてくれるよ?
優しいし話しかけてくれるし。
だけど、みんな私から一定の距離を置いていた。
学校帰りにカラオケとか買い物とか、ちょっと…行ってみたい。
だけど、それは無理だと知った。
「Aちゃんと一緒に買い物とか行けないよね。」
「だよね〜。嫌いなわけじゃないしむしろ好きだけど、Aちゃんと一緒に歩くのってなんか、キツイ。」
「可愛いから私たちが一緒に歩いてたらおかしいよね。しかも人気だしファンとか迫ってきたらちょっと大変そ。」
そんなことを教室で耳にしてから私は必要以上に学校の人には関わらないようにした。
それでも、そんな中でも私を遊びに誘ってくれる子達はいた。
「Aちゃん、新しいクレープ屋さんが出来たんだって。すごく美味しいし可愛いみたいなの。みんなで行くんだけど、一緒にどう?」
「本当?じゃあ……」
「ねー、それってそこの通りにできたやつでしょ?大行列の。この前Aちゃんがテレビで食レポやってたじゃん。アンタなのに誘ってるの?」
「え?そ、そうだったの?ごめんね知らなくて。じゃあまた今度違うお店に行こっ。」
「…うん。楽しみにしてる。」
笑ってそう返したが、もちろんもう今度なんてないんだろう。
何か楽しそうなことが起ころうとしたらすぐ何かに阻まれる。
そんな毎日。
「……つまんねー。」
そう呟いて私はクルリとボールペンを回した。
241人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユーリ(プロフ) - ゆゆ助さん» 大好きと言っていただけて嬉しいですっ。ありがとうございます! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - InaNyanさん» 頑張ってると思うと言っていただけて嬉しいですっ。今後もよろしくお願いします! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - いろいろ口だしてしまってすみません。この作品大好きです、更新頑張ってください! (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - InaNyanさん» ほんとにそれなです。ちょっと注文が多すぎるんじゃないですかね…?そんな言うんなら自分で書いた方がいいと思います。ユーリさんもあーしてこーしてって他人が細かく決めたものを書いていてもつまらないと思いますけど…。 (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
InaNyan(プロフ) - 夏季さん» これは私の勝手な意見ですが、作者様は作者様なりに頑張ってると思うのですが…。こんな部外者がすみません。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユーリ | 作成日時:2018年12月7日 2時