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番外編 〜クリスマス〜 ページ29

「恐怖。」

本当に恐怖でしかない。
なぜ奴のクローゼットからこんなものが出てくるんだ。


フェリドに渡されたものに着替えると、それはサンタの衣装。

赤いミニスカートで上半身には白いふわふわのボタンのようなものが2個付いている。

小さなポンチョも羽織れるようだが寒いことに変わりはない。


「着替えた〜?」


「…着替えてない。」


「着替えたんだね。もう振り返っていい?」


「振り返ったら殺す。」


「え〜。」なんて言いつつ彼は笑いながら振り返り、私の姿を見て固まった。


「な、何よその顔。あんたが着替えろって言うから着替えたのにその反応は何?」


私の予想としては可愛い〜とか思ってもないことをほざくのかと思っていたが、まさかの無反応。

かと思いきや、彼は手で目頭を押さえて笑った。


「い、いやぁ。思ってたより、それ…うん。」


「は?何?」


「想像以上の可愛さにどうしたらいいか分からないんだけど。」


「なん、だと…。」


私もその予想外のコメントに固まった。
それからもフェリドはため息をつきながら「はぁ、可愛い。」と何回も言っていた。


「あんたこれ私じゃない女の子にやったら完全に引かれてたよ。いや私も引いてるけど。」


「だって着て欲しかったんだもーん。あ、でもこのサンタの衣装も可愛いよね〜。」


そう言って雑誌のようなものをペラペラとめくっていたのでそれを覗き込む。


「ああ!これ!」


それは一年前のファッション雑誌だった。
クリスマス特別企画で私がサンタ衣装を着て何枚か撮影をしたやつ。


「なんでそんなの持ってんのよ!変態!」


「この前外に出た時に見つけたんだって〜。可愛いでしょ?」


「さっさと捨てろ!」


「やだよ!僕の宝物なのに!」


雑誌を取り上げようとするがやはり吸血鬼には敵わない。
そもそも私よりはるかに高い身長の男から雑誌を奪うなんて無理があった。


「そんなに暴れたら君のスカートの中見えちゃうよ?さっきちょっと見えたし。」


「え?!」


「嘘だけど。」


ニヤニヤと笑っている変態にそろそろ堪忍袋の尾が切れかかっていた時、今度は棚の中から何かを引っ張り出してきた。

次は何に変身すればいいんだ。

だが、今度は違った。


「はいどーぞ。可愛らしいサンタさん。クリスマスプレゼントだよ。」


フェリドはそう言って少し大きめのサンタの靴を渡してくれた。
中には沢山のお菓子。

それもいつも食べているものじゃなくて少し高級感があった。
どこから取り寄せるんだろう。


「…ありがと。」


フェリドはニコニコと笑って私の頭を撫でた。

第27話→←番外編 〜クリスマス〜



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ユーリ(プロフ) - ゆゆ助さん» 大好きと言っていただけて嬉しいですっ。ありがとうございます! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - InaNyanさん» 頑張ってると思うと言っていただけて嬉しいですっ。今後もよろしくお願いします! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - いろいろ口だしてしまってすみません。この作品大好きです、更新頑張ってください! (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - InaNyanさん» ほんとにそれなです。ちょっと注文が多すぎるんじゃないですかね…?そんな言うんなら自分で書いた方がいいと思います。ユーリさんもあーしてこーしてって他人が細かく決めたものを書いていてもつまらないと思いますけど…。 (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
InaNyan(プロフ) - 夏季さん» これは私の勝手な意見ですが、作者様は作者様なりに頑張ってると思うのですが…。こんな部外者がすみません。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年12月7日 2時

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