第18話 ページ19
あーあ。
めんどくさいなぁ。
伝言を頼まれた私はまたフェリドの部屋へと引き返した。
今度はちゃんとノックしよう。
さっきはいると思わなくて飛び込んじゃったし。
2回ほど扉を叩いて開けると、そこにはまだ3人の吸血鬼が座ってワイングラスの中の血を飲んでいるようだった。
「あ、君は…。」
クローリー様とやらは私を見てそう言った。
浅く頭を下げ、まずは挨拶をしようか。
どうせ演じるなら何もかも完璧でなければ私のプライドが許さない。
「初めまして、Aと申します。先程は驚かせてしまって申し訳ありません。フェリド様から伝言を預かってきました。」
「へぇ、なんて?」
「今から会議があるとのことでした。」
そう告げると彼は呆れながらえー?と言って笑っていた。
恐らくクローリー様もいつもフェリドに振り回されている者の1人なのだろう。
「クローリー様、どうするんですかぁ?」
「私達はまだ終わっていない仕事があるので帰ろうかと思っているのですが。」
チェス様?とホーン様かな?その2人はそう言って扉の方を見ていた。
私的には出来れば3人とも帰っていただきたいのだけれど。
「んーじゃあ僕はフェリド君が終わるまで待ってようかな。何もすることないし。」
まじかよ。
とは思ったが、もちろん顔には出さないでいた。
「分かりました。チェスと先に帰っています。……では。」
ホーン様は私を少し見てそう言ったので、
「お気をつけて。」
と私も一応そう伝えた。
彼女達が帰り、シンっと部屋は静まり返った。
だから嫌だったんだ。
別に女の吸血鬼であれば、特にイリーナさんとかだったら話しやすい。
しかし、今私のそばにいる吸血鬼は男で威圧感が少しあって何より貴族だ。
それになんだあの筋肉は。
フェリドもそれなりに男らしいがクローリー様はがっちり“ 男 ”って感じ。
「座らないの?」
「へ?あ、じゃあ…失礼します。」
嫌だぁ。何この空気。
なんでフェリドの部屋で私が気を使わないといけないんだ。
あ、お菓子。
棚にあるって言ってたな。
座ったばかりだが、私は立ち上がって後ろにあった白い棚を開けた。
中には沢山のお菓子。
クッキー、マカロン、ドーナツ、チョコレートなどと私の求めていた物がそこにあった。
「お菓子だぁ。」
糖分摂取をしていなかったせいかそれらを見ただけで私の頰は緩んだ。
ワクワクしながら食べたいだけのお菓子を取ってソファに座りなおす。
棚に置いてあったメモには『食べ過ぎ注意』と書かれていたがそんなものはグシャッと丸めて捨ててやった。
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ユーリ(プロフ) - ゆゆ助さん» 大好きと言っていただけて嬉しいですっ。ありがとうございます! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - InaNyanさん» 頑張ってると思うと言っていただけて嬉しいですっ。今後もよろしくお願いします! (2019年3月21日 0時) (レス) id: ec0c133e4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - いろいろ口だしてしまってすみません。この作品大好きです、更新頑張ってください! (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ助 - InaNyanさん» ほんとにそれなです。ちょっと注文が多すぎるんじゃないですかね…?そんな言うんなら自分で書いた方がいいと思います。ユーリさんもあーしてこーしてって他人が細かく決めたものを書いていてもつまらないと思いますけど…。 (2019年3月20日 22時) (レス) id: 79e1c2e2f0 (このIDを非表示/違反報告)
InaNyan(プロフ) - 夏季さん» これは私の勝手な意見ですが、作者様は作者様なりに頑張ってると思うのですが…。こんな部外者がすみません。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: 248aef0291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年12月7日 2時