第4話 ページ6
「止まれぇ！」
人の多い場所を選んで上手い具合に逃げているがなかなか追いかけるのをやめてくれない。
傷と疲労のせいで少し走っただけですぐに息が切れ始める。
「土方さーん！沖田さーん！」
前方でそんな声が聞こえ目を凝らして見る。
増援だ。
逃げ場をなくし、その場で足を止めた。
目の前にはパトカー二台と4人の男。
後ろにはさっきの土方コノヤローと沖田という男が2人。
前の4人はいい。
問題は後ろの2人だ。
かなりの腕前とみる。
「…あの人ほどじゃないと思うけど。」
「御用改めである！少し話を聞かせてもらおうか。」
そう言いながら前の4人が私に近づく。
…まだだ。あと少し、もう少し近づいた時に前の4人に軽くダメージを与え、その間を抜ける。
土方コノヤローと沖田が介入する前に。
…あと4歩。…3、2、1…。
今だ。
「しまっ…！」
姿勢を低くし、一気に2人の男の懐に入る。
刀の鞘を使って少し弱い攻撃を食らってもらった。
残りの2人も同じようにしようとした時、すぐ後ろで振り下ろされる刀の気配がした。
あの2人だ。まさかこんなにも早いなんて。
土方コノヤローは右から、沖田は上から攻撃を仕掛けてくる。
それを素早くかわし、後ろへ2、3歩下がって様子を見る。
「…今の避けるんですかィ。こりゃただの女じゃないですぜィ土方コノヤロー。」
「ああ、そうみたいだな総悟コノヤロー。大人しく捕まって話を聞かせてもらおうか。」
「さっさと捕まってくだせぇ。そして死ね土方ぁー。」
土方が勢いよく沖田の頭に拳骨をくらわそうとしていたが、それを澄ました顔でよけていた。
また2人が言い合いを始める。
こっちの気も知らないで。
突然動いたせいで腹部からの痛みが治まらない。
嫌な汗が出る。
呼吸が荒くなり、足に力が入らない。
こんなに疲れるなんてあの戦争以来だ。
全てあの男のせい。
とうとう力が抜けた私はその場に倒れこむ。
…と思ったら、誰かが私の倒れそうだった体を支えた。
「オイオイ。男どもが寄ってたかって女をいじめてんのか？何やってんだよ警察がよー。」
聞いたことある声。
あぁ、そうだ。お登勢のお店の二階にいる人。
でも、どこか懐かしいような。
「あ、旦那。違うんでさァ。その女が怪しいから取っ捕まえて話を聞こうと思ってただけですぜぃ。」
「そうそう。だからさっさとソイツよこせ。」
「へーへー、渡せばいいんだろこの女、を……。」
「旦那？」
「お前…A、か？」
私の名を呼んだ男を見る。
「ぎん、とき？」
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時々雨(プロフ) - 返信頂けて嬉しいです。ありがとうごさいます！のんびりといつまでも待ちますので、無理なく頑張ってくださいね。楽しみにしてます！ (2020年9月10日 1時) (
レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 時々雨さん» コメントありがとうございます！続きがなかなか思いつかなくて無理かなぁと思っておりましたが、今回そう言っていただけたのでまたストーリーを考えて頑張っていきたいと思います！時間はかかるかもしれませんが自分なりに作成していこうと思います！ (2020年9月8日 21時) (レス) id: 201a018e64 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - コメント失礼します。だんだんと主人公が自分と向き合いはじめ感情に名前がつきはじめ、どうなっていくのかと気になります。続きはない感じでしょうか…？とても気になる内容で是非続きを読んでみたいです！ (2020年9月8日 16時) (レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - BT21 さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年9月16日 21時) (レス) id: 6f16964e99 (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - 凄い面白いですね松陽先生も出てくるし続き楽しみです更新頑張ってください (2019年9月16日 21時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2018年6月16日 0時
