第16話 ページ18
「A、何してるアルか?」
「…神楽。」
前方には大きな白い犬と一緒に歩く一人の少女がいた。
神楽は酢こんぶを口にくわえて私を見る。
なんだか先程のこともあってかあまり屯所にはいたくなかった。
沖田に向かって刀を向けてしまったことが今でも心の中で気持ちの悪い感じを生み出す。
これは、なんていったかな。
「…ねぇ、神楽。」
「んー?」
「なんか、さっきね…間違えて沖田に刀を向けちゃって…そのことが、頭から離れないの。なんだかモヤモヤ?する。なんで?」
「なんでって言われても困るアル。そのまま刺し殺すとよろし。」
聞く相手を間違えた。
もっとちゃんと答えてくれそうな人に聞くべきだったかな。
…って言っても誰だろう。
銀時……はダメだ。
沖田も会いにくいし。
近藤と土方は仕事だし。
新八もなんか頼りなさそう……。
「…あ。あの、神楽。た、妙ってどこにいるかな?」
「姉御なら家にいると思うネ。何しに行くアルか?」
「ちょっと、モヤモヤってどうゆうものかを聞きに行く。」
「…はあ。よく分かんないけど気をつけてネ。」
神楽は首を傾げた後大きな犬と共に行ってしまった。
そして私は妙のもとへと向かう。
知りたかった。
ただ純粋に。
いろんな感情を知りたい。
自分が、今どう思っているのか。
_________
家の中に入らずとも妙と出会うことが出来た。
どうやら買い物帰りらしい。
「あら、Aさん。どうしたの?」
「妙に、聞きたいことがあって。」
「なぁに?ゴリラの殺し方?それなら教えるのは得意よ。」
……近藤のことだろうか。
このことはあまり深く聞かないでおこう。
部屋に通され、座布団の上に座る。
彼女はニコニコと笑い私の言葉を待っていた。
「あのね…」
そこで私は先ほどのことを説明する。
妙は、私の話を静かに最後まで聞いてくれた。
「モヤモヤが取れないの。なんて言えばいいのかわからないけど…。」
「そう。そうね…それは罪悪感、かしら?」
「罪悪感?」
「ええ。簡単に言うと悪いことしちゃったなぁって思うの。罪悪感から自分を責めちゃう人もいるわ。」
…罪悪感。
わかってきたかもしれない。
人を殺す時、それを感じていた気がする。
自分が今どんな顔をしているのか分からないが、妙は私の顔を見て少し困ったように笑った。
そして手を伸ばして私の頭を撫でた。
「分からないことがあれば何でも聞いていいのよ。」
……何でも。
「…妙。」
「なぁに?」
「私って……おかしい?」
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時々雨(プロフ) - 返信頂けて嬉しいです。ありがとうごさいます!のんびりといつまでも待ちますので、無理なく頑張ってくださいね。楽しみにしてます! (2020年9月10日 1時) (レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 時々雨さん» コメントありがとうございます!続きがなかなか思いつかなくて無理かなぁと思っておりましたが、今回そう言っていただけたのでまたストーリーを考えて頑張っていきたいと思います!時間はかかるかもしれませんが自分なりに作成していこうと思います! (2020年9月8日 21時) (レス) id: 201a018e64 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - コメント失礼します。だんだんと主人公が自分と向き合いはじめ感情に名前がつきはじめ、どうなっていくのかと気になります。続きはない感じでしょうか…?とても気になる内容で是非続きを読んでみたいです! (2020年9月8日 16時) (レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - BT21 さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2019年9月16日 21時) (レス) id: 6f16964e99 (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - 凄い面白いですね松陽先生も出てくるし続き楽しみです更新頑張ってください (2019年9月16日 21時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年6月16日 0時