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第18話 ページ20

「やっぱり、強いのね。」


私の攻撃は簡単に防がれてしまった

クローリーは何も言わず、眉間にしわを寄せて私を見ていた。


一方で、グレン中佐は驚いたままの顔で焦った声を上げている。


「お、お前…何しに来た!お前一人で勝てる相手じゃない!急いで深夜を連れて逃げろ!」


逃げるわけにはいかない。
私は、彼から逃げるなんて真似はしない。


「あなたに、伝えたいことがあるの。」


私の言葉を聞いても、彼は変わらず冷たい表情のままだった。

あの頃のような笑顔は見せてくれない。


「A!いいからさっさと撤退するんだ!!」


中佐がそう叫ぶと、初めてクローリーは私に向かって言葉を発した。


「…名前まで、一緒なんだ。」


やっぱり、まだ私を信じてくれていなかった。
その事実に少しだけ胸が痛む。


「クローリー、私がAよ。」


そう言ったが、やはり無理だった。
彼の剣先が私の方を向いた。


「君がどうして彼女のことを知っているのかは知らないけど、前にも言ったよね。…僕の前で、あの子を語らないでくれるかな。」


ヒュッと風を切る音が聞こえ、私の首めがけて剣が移動した。


まだだ。
まだ、死ぬかにはいかない。


「私は、今でもあなたを見捨ててないよ。」


そう呟くと、ピタッと私の首ギリギリのところで剣が止まった。

彼は驚いた顔をして私を見ている。


「な、んで。君がそれを…。」


まだ驚いている彼に向かって足を進め、そっとクローリーの手に触れた。

彼は振り払おうとはしなかった。


それがとても嬉しくて涙がにじむ。

昔と変わらない、大きくて冷たい手。



一滴の涙が私の頰をつたった。
そして、背の高い彼を見上げて微笑む。


「やっぱり、クローリーは変わらないね。」


私がそう言った瞬間、彼は目を見開いて苦しそうな顔をしてしまった。


「そんなはず、ない。死んだはずなのに。……本当に、君なの?」


その問いに私は笑って強く頷いた。


「私は、A・ベネットの生まれ変わり。」


それを聞いて、私にはクローリーの頰が少しだけ緩んでいるように見えた。


「お前ら、一体…。」


不思議そうな顔をしているグレン中佐と深夜さんはまだ倒れ込んだままだった。


「どういうこと…」


中佐の言葉は、大きな音と声によって遮られた。


「てめえ!Aから離れろ!!」


「な、優一郎?!」


そこにいたのは、シノア達だった。


「クローリー様!!」


前には、彼の従者たちもいた。

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ユーリ(プロフ) - 宙ブラリンさん» 前作から読んでいただけるなんて!!ありがとうございます!コメントせずすみません!イベント参加させていただきました! (2019年12月30日 18時) (レス) id: 0114b7eb58 (このIDを非表示/違反報告)
宙ブラリン - 前作から読みました!切なく、それでいて甘いそんなお話ですね。とても面白かったです!イベントに参加していただきありがとうございました(*^-^*)次のお話も楽しみしています! (2019年12月30日 14時) (レス) id: 15f9c254a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - マリさん» 楽しんでいただけて良かったです!応援ありがとうございます!! (2019年9月15日 19時) (レス) id: cb16296158 (このIDを非表示/違反報告)
マリ(プロフ) - 最初から読ませていただきました!とっても面白かったです!次回作も頑張って下さい! (2019年9月15日 19時) (レス) id: 827ab458fd (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - なぎさん» なんて嬉しいコメント…!ありがとうございます! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 58c08e5576 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年2月20日 20時

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