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第39話 ページ43

「開門30秒前!!」


いよいよだ。

あれから一ヶ月経った。

今期の新兵も含めての壁外調査が始まる。


上がっていく門を眺めて思わず笑みがこぼれた。


「ふふっ。楽しみね。」


まぁでも私たちリヴァイ班はエレンがいるから一番安全な移動らしいけど。

つまらない。


門が上がり、もう死んでしまった街が見え始める。

それと同時に馬で駆ける。


「第57回壁外調査を開始する!前進せよ!!」



旧市街地を抜けるまで援護班の支援はあるが、それ以降は長距離索敵陣形を用いての移動となる。


その巨大な陣形でなるべく巨人との接触を避けながら目的地を目指していく。



壁外調査を開始してどのくらい時間が経っただろうか。


今のところは順調に進んでいるようにも感じるけど、本当はそうはいってないんだろうな。


そんなことを考えていると、口頭伝達で最悪の情報が回ってきた。


「右翼索敵壊滅的打撃!右翼索敵一部機能せず!以上の伝達を左に回してください!」


まずいな。
索敵が一部機能しないだけでも相当な痛手だ。


それでも撤退の命令はでない。
進路は東のまま。


今回の壁外調査は何か裏がある。


エルヴィン団長が分からない。


「あの人間は、一体何を考えている…。」


訳のわからないまま、私たちは巨大樹の森の中を駆けた。


理解できないのはエレンも同じらしく、何やら兵長に言っている。


しかし、今はそれよりも気になることがある。


右のほうから、何か来る。


と思ったら、後ろで大きな音がなった。

いる。

後ろに、巨人が。


みんなの緊張が伝わってきた。

余裕のない表情で兵長の抜刀の指示に従うだけ。


そして、やつは現れた。


そいつを見て一瞬で分かった。

知性があると。

狙っているのは、エレン。


「…なるほど、そういうことか。」



背後から増援がくるが一瞬にして潰される。


それが耐えられなかったのか、エレンが巨人の力を使おうとした。


もちろん許可が出ない以上それは使ってはいけない。


ペトラたちやエレンが口論するのを黙って見ていると、リヴァイ兵長が言った。


「エレン。お前は間違ってない。やりたきゃやれ。」


相変わらず斬新だ。


兵長はそのまま言葉を続けた。


「俺には分からない。ずっとそうだ…自分の力を信じても…信頼に足る仲間の選択を信じても…結果は誰にも分からなかった。

だから…まぁせいぜい、悔いが残らない方を自分で選べ。」




エレン。


あなたは、どちらを選ぶの。

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ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 2度もコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)
シュビィ - 今回も良かったです!この続きがすごくきになります!!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 暇人さん» 好きと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年3月22日 16時) (レス) id: d3fcfe1e08 (このIDを非表示/違反報告)
暇人 - 続きが気になる! この作品とても好きです! (2018年3月22日 16時) (レス) id: 3e9479faaa (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 褒めていただきありがとうございます!更新頑張ります! (2018年3月19日 21時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年1月7日 2時

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