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第29話 ページ33

もうすでにエレンの顔は血まみれだった。


リヴァイ兵長の容赦ない躾に思わず苦笑いになってしまう。

笑っているのは私だけで他の人間達はヒヤヒヤした顔で兵長の行動を眺めていた。


「…待て、リヴァイ。」


ナイルが制止をかけ、兵長の足が止まった。


「恨みを買ってこいつが巨人化したらどうする。」


…は??


「何言ってるの?」


リヴァイ兵長も同じことを言おうとしていたみたいだが、それよりも私の方が先に言ってしまったので少し開いていた口を閉じる。


「だってあなた達はエレンを解剖するんでしょ?兵長の躾よりも恨みを買うと思うけど。」


ナイル達はその正論に何も言い返せず黙り込む。


考える頭をもっと鍛えなさいよ。

そう言いたかったが、大変なことになるので口をつぐんだ。


そしてエルヴィン団長の提案が発表された。

それは、エレンの管理をリヴァイ兵長に任せ、その上で壁外調査に出るということ。


「出来るのか、リヴァイ?」


「殺す事に関しては間違いなく。それに不服だが、俺と同じくらい実力を持った奴もいる。」


そう言ってチラッと私の方を目で見た。
兵長が私を褒めるなんて珍しく、つい目を丸くしてしまった。


「ほう、君は確か…」


「A・フィリスです。」


ザックレー総統は私を見て意外そうな顔をした。


「この者がリヴァイと同じ実力を持つ、か。実に面白いな。」


「しかし、彼女もまたエレンと同じように特別入団しております。訓練兵として卒業していない。」


負け惜しみか、ナイルは私のことまで口を挟んできた。


「別にあなたにそれは関係ないでしょう?それに異論があるということは、私の入団を認めた兵長と団長をも否定するということ。それともなに?

…私の審議をしましょうか?」


「っ!」


本当に愚かしい。
馬鹿な家畜が出しゃばるからこうなるのよ。


その場が少し沈黙したのち、ザックレー総統が言った。


「……決まりだな。」


これで、エレンは調査兵団だ。

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ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 2度もコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)
シュビィ - 今回も良かったです!この続きがすごくきになります!!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 暇人さん» 好きと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年3月22日 16時) (レス) id: d3fcfe1e08 (このIDを非表示/違反報告)
暇人 - 続きが気になる! この作品とても好きです! (2018年3月22日 16時) (レス) id: 3e9479faaa (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 褒めていただきありがとうございます!更新頑張ります! (2018年3月19日 21時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年1月7日 2時

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