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第2話 ページ4

真っ暗な世界。

何も見えないし何も聞こえない。

ただ底のない穴を落ちていくだけ。


なんなのこれ、何も出来ない。

なんだかこの状況を考えるのも疲れてきてため息をついた時だった。

今度は突然まわりが明るくなった。
眩しくて目を瞑る。

そして、次に目を開けた時には…


「…………………え。ここ、どこ…?」

周りは何やら買い物で賑わう人間たち。

服装も雰囲気もなぜか違う。

さっきまであった帝鬼軍の兵士の死体もない。

「フェリド様?!」

ハッと思い出したように辺りを見回すが当然いない。

え、ちょっと待って。本当にどこなのここ。
全然ここ日本じゃないみたいだし、そもそもビルとか車とかそういったものが何1つない。

「なにかしらあの子?随分と良いもの着てるわね。」

「どこかの貴族のご令嬢じゃない?それにしても綺麗な子ねぇ。」

人間よりも耳がいいから少々離れた所にいても話し声は聞こえる。

この服装、珍しいのか。だったら目立たないようにまず羽織るようなものを探さなきゃ。
それにほかの人間たちと比べてこの服露出度高いし。

考えるのはその後だ。


体のほとんどを覆うことが出来たものをどこかの家から拝借した。
あまり人から目立たない細い道を見つけてそこに座る。

「さて、どうしたものか。」

恐らくだけど、私は元いた世界とは別の全く違う世界にとばされたみたいだ。いわゆるトリップってやつ?

先程歩き回ってここのことについて観察してみたが、分かったことは少ない。

まず、この世界は3つの壁から出来ていて、外にいる巨人という人を食う化け物から身を守っている。

外側からマリア、ローゼ、シーナ。

そしてここはマリア南の突出した区域、シガンシナ区。

「はぁ。」

どうしてこんな所に来ることになったんだ。

でも、別に腹が立ったとかではなかった。
むしろ楽しみだ。

だって、何百年も生きてずっとつまらなかったんだもの。
やっと面白そうなことが出来る。

まぁ戻りたくない訳じゃないけど。
戻れるまでの間は、私の人生に華を咲かせないとね。

それに、ここは食料にも困らなさそうだし。


「おい、嬢ちゃん。何やってるんだ?こんな所で。具合でも悪いのか?」

声のした方に顔を向けると、何やら軍服のようなものを着た酔っ払ったおじさんがそこに立っていた。

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ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 2度もコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)
シュビィ - 今回も良かったです!この続きがすごくきになります!!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 暇人さん» 好きと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年3月22日 16時) (レス) id: d3fcfe1e08 (このIDを非表示/違反報告)
暇人 - 続きが気になる! この作品とても好きです! (2018年3月22日 16時) (レス) id: 3e9479faaa (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 褒めていただきありがとうございます!更新頑張ります! (2018年3月19日 21時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年1月7日 2時

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