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第19話 ページ22

作戦開始からどのくらい時間が経ったんだろう。

どのくらい巨人を殺したんだろう。

そんな事が分からなくなるくらい、巨人を殺して飛び回った。

前衛の駐屯兵達はほぼ全滅したらしいけど。
それだけ巨人の数が多くて厄介だったみたいだ。


「あ、鐘の音。」

一時撤退を知らせる鐘の音が響いている。人間達の避難が完了したらしい。


その指示に従って壁を登ろうと思ったら、遠くの屋根に座り込んだり焦っている訓練兵達がいるのが見えた。

ガス欠か?なら本部に補給しに…

「?!あれは、巨人が…。」

本部に巨人が何体も集まっている。大きさは様々だが、あの数を人間が相手にするのは厳しそうだ。

「大方、補給班はあの数の巨人に戦意喪失しちゃったって感じかな。」

さて、どうしようか。私にはまだガスの余裕がある。
吸血鬼特有の身体能力で飛んだりしてたからだ。


「んー、このまま帰っても面白くないし。」

決めた。訓練兵達のところへ行こう。
彼らがどう抗うのか、見せてもらおうじゃない。

パシュっと音を立てて、私はアンカーを放った。


近づくにつれてわかってくる。どのくらいの数の人間達が絶望し、塞ぎ込んでいるのか。


「あなた達、こんな所で何してるの?」


「な、なんで調査兵団が。」
「あの人、1人で移動してきたのか?」

私を見て少しだけざわついた後、丸刈りの子が私に言った。

「ガスを切らしてしまい、壁に登れないんです!本部には巨人が群がっているのでガスを補給しに行けず…!」

やはりか。参ったなぁ。ここで私だけ逃げてもなんか印象悪いし。
あ、あれは…


「アルミン?あなたも壁を登れないの?それにエレン達は…」

私の声を聞いた瞬間、彼はバッと顔を上げた。
今にも泣き出しそうな声で呟く。

「ぁ、Aさん…」

あぁ、死んだのか。
多分だけど、アルミンだけ生き残ったらしい。
彼の態度を見ればすぐに分かった。

残念、エレンは面白そうな子だったのに。


その後ミカサが来てアルミンに同じ質問をしていた。

エレン達の死を知った後、彼女はみんなの前で本部の巨人を殺すと言いだした。


「勝てば生きる…戦わなければ勝てない…。」

そう言ってミカサは1人で行ってしまった。確かに正論だ。

「あなた達は何もしないの?彼女は1人でも戦うと言ったのに。戦う覚悟がないのであれば、ここで無様に死になさい。」

私もそれだけ言い残して、ミカサの後を追った。

その数秒後だ。


恐怖が混じりながらも、力強く勇ましい叫び声が聞こえたのは。

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ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 2度もコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)
シュビィ - 今回も良かったです!この続きがすごくきになります!!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 暇人さん» 好きと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年3月22日 16時) (レス) id: d3fcfe1e08 (このIDを非表示/違反報告)
暇人 - 続きが気になる! この作品とても好きです! (2018年3月22日 16時) (レス) id: 3e9479faaa (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 褒めていただきありがとうございます!更新頑張ります! (2018年3月19日 21時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年1月7日 2時

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