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第17話 ページ19

この世界に来てもう結構経った。

ま、私たち吸血鬼からしたら4、5年なんて一瞬で過ぎていくけど。


私は、何度目かで壁外調査に参加することを許された。でも、たまにお留守番するということが多々ある。

今回の壁外調査はそのお留守番だ。



「俺たちが壁外調査に行っている間も掃除を忘れるな。」

「ピクシス司令に君のことは伝えてあるから。分からないことがあれば尋ねると良い。」


そう言ってリヴァイ兵長とエルヴィン団長は民衆の中を馬に乗って進んで行く。

その横にハンジさんもいる。後ろにはペトラさん達。

みんな私の方に手を振り「行ってきます。」なんて言って、すぐに気合を入れた顔をする。



今、調査兵団の支持は厚いらしい。所々から団長や兵長に向かっての声援が聞こえて来る。

何年か前とは大違いだ。


「あーあー。私も行きたかったなぁ。人類のために戦えるのに。」

なんて、思ってもないことを口に出して自分でも笑ってしまう。


民衆の中には、訓練兵だろうか。憧れの眼差しで調査兵団のみんなを見ている。

その中に、私の目を引く人物がいた。

いつぞやの酔っ払いの男と話している人物。
私はすぐにそこへ走って行った。


その子の肩を後ろからトンっと叩く。

「エレン君っ。お久しぶり〜。私のこと覚えてるかな?」

突然話しかけたからか、エレンたち3人は不思議そうに私を見た後、何かを思い出したように目を見開いた。

「あ!避難所でパンをくれた。えっと、Aさん!」

どうやら私のことを覚えてくれていたらしい。

「あの時の嬢ちゃんか。生き残れてたんだなぁ。」

ハンネスも後ろでそんなことをつぶやく。

「Aさん、その格好…」

やはり、エレンは調査兵団の制服にくいついた。

「ああ、これ?私、調査兵団に入ったのよ。でも今回の壁外調査はお留守番なの。」

そんなことを言うとエレンは目を輝かせた。

「かっけぇ。Aさん!俺、調査兵団に入るんで待っててください!」

「あ、僕もです!」

「私も。」

ミカサとアルミンもエレンと一緒に入るらしい。
よく1番危険な兵団に入るよなぁ。

人間の命は、一度散ればもう咲かないのに。

「楽しみにしてるわ。」

私がそう言うと、エレンはニッコリと笑って自分の仕事へと戻って行った。






この時、まだ誰も知らなかった。






_____________また、巨人がやって来ることを。

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ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 2度もコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)
シュビィ - 今回も良かったです!この続きがすごくきになります!!! (2018年3月24日 15時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 暇人さん» 好きと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年3月22日 16時) (レス) id: d3fcfe1e08 (このIDを非表示/違反報告)
暇人 - 続きが気になる! この作品とても好きです! (2018年3月22日 16時) (レス) id: 3e9479faaa (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - シュビィさん» 褒めていただきありがとうございます!更新頑張ります! (2018年3月19日 21時) (レス) id: c26a4cf818 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年1月7日 2時

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