第20話 ページ22
「っ？！」
「何してるの？」
そう言って私の腕を掴んだのは、金髪の整った顔の青年。
ミカエラだ。
驚いてドキドキしている私を差し置き、彼は言葉を続けた。
「A、だっけ。第五位始祖に何か僕らのことについて調べてこいとか言われたの？」
「え？いや、あの…お腹が空いて。」
その言葉に彼は拍子抜けしている。
嘘をついているわけではない、そう思ったのか手を離してくれた。
「優ちゃんたちに言って食べ物分けてもらうといいよ。行こう。」
そう言われたので彼について行くと、シノア達と知らない大人がいた。
皆テーブルを囲って食事をしている。
私がひょこっと顔を覗かせれば、すぐに優が存在に気づいた。
「あ！A！何してんだ？」
「ご飯を、分けてもらえますか？」
「じゃあ私の横へどうぞ。」
シノアにそう言われたので移動し、彼女の横の椅子に腰掛ける。
目の前にあるご馳走に目を輝かせていると、自分に向けられている視線に気付いて顔を上げた。
「シノア、誰だこいつ。」
「誰でもいいでしょグレン〜。可愛いんだから。」
「綺麗な花にはトゲがあるって言葉知ってるか？深夜。」
「なんかそんなのもあったねー。」
ヘラヘラと笑っている白髪の男の名は深夜と言うらしい。黒髪の口が悪い方はグレンか。
「で、誰なんですか一体。」
赤髪の女の人がそう言った時、コツ…と靴音が響いた。
そちらに目を向け微笑むと、彼の方も私に笑いかけてくれた。
「クローリー様、お邪魔します。」
「はい、いらっしゃいAちゃん。」
「ご飯と…あとお風呂も借りていいですか？」
「好きに使っていいよ。フェリドくんは君がロシアから来ることもわかってたみたいだから。」
それはそれで少し怖いな…。
グレン、という人達はその様子を見て今度はクローリー様に話しかけていた。
「クローリー、知り合いか？」
「まぁ、そうだね。」
「人間が何故吸血鬼と？」
「…彼女は特別なんだ。君達なら知ってるだろ？」
そう言われたシノア達は少し困ったように笑っていた。
彼女らにとって吸血鬼が敵だからだろう。
それなのに、その敵といる私にどう接していいのか分からないようだった。
「…とりあえずお腹すいてるから食べてもいい？」
「はいどうぞどうぞ〜。」
皆が食べている中、私も食事に手を出した。
「…美味しい。」
「だろ〜？」
優は得意げに笑っていたが、どうやら作ったのは君月らしい。
彼の意外すぎる特技に驚きつつ、少しだけ活気ある食卓で腹を満たした。
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ユーリ(プロフ) - 斑鳩@見る専さん» ステキなコメントありがとうございますー！！とっても嬉しいです！！バタついてて全く更新できていませんが落ち着いたらまた更新するのでぜひ読んであげてください！！ (2020年11月29日 7時) (
レス) id: b0d63da9ea (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩@見る専(プロフ) - ほうほう ただの子供が吸血鬼に愛される話かと思って見てみれば、途中から あれこの子結構重要ポジではと思われる描写が少しずつ出てきて あ やっぱり重要な方なんですなってなって 凄く引き込まれました！ いつも更新ありがとうございます！ (2020年11月29日 1時) (レス) id: d0afc845e0 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - あすきさん» ありがとうございます！病院で働いてるもので仕事が忙しいですが頑張っていこうと思います！ (2020年10月17日 11時) (レス) id: 5fad441ba2 (このIDを非表示/違反報告)
あすき(プロフ) - これからの展開が楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月17日 11時) (レス) id: a838b5fe09 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - Rさん» ほんっとうにお待たせして申し訳ありません！！まだ楽しんで頂けてるなんて嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年7月19日 21時) (レス) id: f5d30a9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2020年3月9日 10時
