第12話 ページ14
「…なんで、Aちゃんが父さんのことを知ってるんですかねぇ。」
フェリド様の言葉に私は首を傾げた。
「父さん？」
「そうだよ。僕は彼の血で吸血鬼化したから僕の父にあたる。で、なんで知ってるの？」
「…分からないんです。思い出したのは名前と顔だけだから。」
「本当に？実は知ってるけど隠してるだけじゃ…」
「フェリド・バートリー、出しゃばるな。」
眉を顰めたウルド様に、フェリド様は少し焦ったように笑う。
「いやいや、僕は気になったから聞いただけです。それに本当に父とは何もないですよ。だから拷問は勘弁してくれません？」
「だがサングィネムを人間に奪われた。無能さの罰を受けてもらわねばな。」
その後、ウルド様はフェリド様たちの尻拭いにサングィネムに向かうと言った。
恐らく私は連れて行ってもらえないだろう。
「十日以内には戻る。十日後にお前らがおもしろい話が出来なければ永久拷問に移行する。」
その言葉に、さすがの二人でも酷く焦っているようだった。
「うへー、すげー。こんだけ長く生きて最後に永久拷問かよ。一体それってどんな気持ちだ？」
「いやぁ、正直おしっこちびりそうです。」
「おしっこ…。」
「黙れA。」
「…。」
フェリド様が変なこと言ったから呟いただけなのに私が怒られてしまった。
少しムッとしていると、ウルド様が私の腕を引いた。
「来い。ルク、あとは任せた。」
「わかりました。やっときます。」
彼らと離れた場所で2人きりになった時、ウルド様は小さく息を吐いた。
何が言いたいのか、なんとなくわかっていた。
「…待ってればいいんですよね？ルク様と。」
「そうだ。」
「でも、一緒にいたい…。」
「A…」
「わかってます。日本に連れて来てもらってるのにそんなわがまま言いません。」
私が笑うと彼は頭を撫でてくれた。
そして、またあの名前を口にした。
「…リーグのことだが。本当に奴と一緒にいたことがあるのか？」
「はい。子供の頃、だと思います。日本へ連れて行ってあげると…。」
「で、リーグに気づかれるなと言った奴にも会ったのか？」
「会うっていうか、声だけが聞こえるんです。私がもう少し思い出したら姿を現すって。」
その言葉にウルド様は何かを考えていた。
私も必死に記憶を辿るが、今はそれ以上のことは思い出せない。
少し不安になりながら、イヤリングにそっと触れた。
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ユーリ(プロフ) - 斑鳩@見る専さん» ステキなコメントありがとうございますー！！とっても嬉しいです！！バタついてて全く更新できていませんが落ち着いたらまた更新するのでぜひ読んであげてください！！ (2020年11月29日 7時) (
レス) id: b0d63da9ea (このIDを非表示/違反報告)
斑鳩@見る専(プロフ) - ほうほう ただの子供が吸血鬼に愛される話かと思って見てみれば、途中から あれこの子結構重要ポジではと思われる描写が少しずつ出てきて あ やっぱり重要な方なんですなってなって 凄く引き込まれました！ いつも更新ありがとうございます！ (2020年11月29日 1時) (レス) id: d0afc845e0 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - あすきさん» ありがとうございます！病院で働いてるもので仕事が忙しいですが頑張っていこうと思います！ (2020年10月17日 11時) (レス) id: 5fad441ba2 (このIDを非表示/違反報告)
あすき(プロフ) - これからの展開が楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月17日 11時) (レス) id: a838b5fe09 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - Rさん» ほんっとうにお待たせして申し訳ありません！！まだ楽しんで頂けてるなんて嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年7月19日 21時) (レス) id: f5d30a9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2020年3月9日 10時
