86 L ◎ ページ38
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shori side
今日は紫耀も岸くんも休みでちょっと退屈なバイト。
店内も平日ということもあって落ち着いていた。
ｶﾗﾝｺﾛﾝｯ
｢いらっしゃいませ｣
ゆり ｢お！勝利くん！！｣
｢あ、お久しぶりです｣
この前挨拶をしてから1週間ほど経った。
そのままカウンターに座り、カフェラテを注文した。
｢すいません、今日岸くんも紫耀もいないんですよ｣
ゆり ｢あ、そうなんだ〜｣
なんだか俺で申し訳ないな、と思いながら
カフェラテを丁寧に作っていく。
ゆり ｢紫耀くんと作り方違うんだね〜｣
｢え、本当ですか？俺ら岸くんに教わってるはずなんだけどな笑｣
ゆり ｢あ、多分工程は一緒なんだろうけど！
なんだろう、勝利くんは手先が優しい。
グラスにまで優しく扱ってる感じ笑｣
なんだか照れくさくて黙ってしまう。
ゆり ｢え？あ、ごめん！私めちゃくちゃおかしなこと言ったね！笑｣
やだな〜私気持ち悪〜！笑なんて頭抱えてる笑
｢あ、いえ！どうぞ｣
カフェラテをカウンターから差し出すと
ゆり ｢ありがとう！｣
と笑って美味しそうに飲む。
ゆり ｢おかしなことついでに、もう1ついい？｣
｢はい？｣
ゆり ｢岸くんも紫耀くんも、今日いないこと知ってたの｣
首を傾げる俺とゆりさんの間には
カップを静かに置く音だけが響く。
ゆり ｢岸くんはさわと今日デートだし、紫耀くんは月曜よく休むでしょ？笑｣
｢あ、確かに笑｣
紫耀は月9見たいがために良く休みを取る。
じゃあなんで誰もいない今日に来たんだ？
ゆり ｢勝利くんに、会いに来たの｣
｢俺に？｣
ゆり ｢そう、俺に！笑｣
嬉しさと疑問で胸がいっぱいになって
あー、この人のこと好きなんだ。って
わかっちゃった。
ゆり ｢あ、私なんかストーカーみたい？笑｣
｢いや、そんなことないです！｣
ゆり ｢良かった〜笑｣
この日を境に月曜を中心にゆりさんは良く店に来るようになった。
もちろん岸くんや紫耀がいる時も来るけど
月曜が圧倒的に多かった。
2人で話していくうちに連絡先も交換して
紫耀と俺が店を出そうとしてることを話すと
いい雰囲気のお店や家具など積極的に共有してくれた。
その中で俺らのことだから、と紫耀も誘って
3人で出掛けることが多かった。
俺の片想いでも、付き合えなくても
それでも3人でいることが幸せだった。
そんな幸せな中、
あんなことが起きるなんて誰が想像出来た？
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作者名：リボンさん | 作成日時：2018年8月22日 22時
