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｢いらっしゃいませ。｣
そこからお客さんが絶えず、さすが休日だな。って
いつも通りの忙しない日曜の夜。
そこで一つだけ違和感があるのは
『いつの間に人間たくさんおるなあ』
なんて呑気なことを言って和ませてくる紫耀がいないから。
思いのほか勝利ともあんまり目が合わない気がする。
やっと店内が落ち着いた閉店30分前。
ラストオーダーも取り終わった頃。
A ｢勝利、看板変えてくるね。｣
｢あ、うん。ありがとう｣
開店前の私のようにどこかぼーっとしたまま
後片付けに取り組む勝利。
お店を閉めたあと、二人きりになった空間は
なんだか重苦しくて
勝利といるのにこんな気持ちになるのは初めてだった。
そんな時、重いドアを開ける音で振り返ると、
？｢すいません、閉店してるのは分かってるんですけどこいつ家ここだって言うもんで！！｣
｢紫耀？！｣
そこにはかなり飲んだのだろうと一目で分かるくらいにグダッとした紫耀。
A ｢なん、で？｣
？｢え？A？｣
A ｢なんで、健人くんが？紫耀と？｣
そんな紫耀を支えてくれている健人くん。
1人では立っていられない様子の紫耀を
ソファに寝かせてから私たちを交互に見る勝利。
｢A、知り合い？｣
A ｢うん、えっと｣
健人 ｢初めまして。Aの兄の友人の中島健人です。｣
そう言って笑顔で小さく会釈をする健人くん。
｢お兄さん、の、｣
どこか納得の言っていない表情の勝利。
なんだかここから逃げ出したくて
紫耀の介抱をしに行くだけ。
と、誰に伝える訳でもなく
自分自身に言い訳を作って
寝息をたてて静かに眠る紫耀の元へ駆け寄った。
私は弱い女だ。
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作者名：リボンさん | 作成日時：2018年8月22日 22時
