第十二話 ページ14
白いシーツのベッドの上で、弟はすやすやと寝息をたて眠っていた。
白い肌に、大きな目、細身の体。そのどれもが自身と酷似しているものだから、一目ですぐに分かった。
こうして会うのは何年振りだろうか。
その白い頬に、手を触れた。ほんのりと暖かくて、懐かしい。
「間違いなく僕の弟だ。こんなにもかわいらしい弟が、二人といるものか」
僕は、敦の頬に置いた手を動かし、彼の顔のパーツ一つひとつを確かめるかのように触れた。
まるで人形のように、僕の弟は愛らしい。
それでいて、異能を発動すると、背筋が凍るほどおっかなくて恐ろしい虎に変身するのだ。
愛らしくも恐ろしくもあり、一人で二度おいしいってヤツだ。
「敦の髪は、僕と違って白いなぁ」
絹のように柔らかく、そして白い髪を一束すくった。そして、あいた指の隙間から流れ落ちてゆく。
「おぼえてる、この子供じみた香り。懐かしい」
いまかいまかと、僕は、目の前の弟が目を覚ますのを待った。
早く、早く、目を開けて。君のその、僕と同じ色をした瞳を見せて。家族だという証を、兄弟だという証を、僕に見せて。
「……ん……」
僕の弟は、その大きな目を開いた。
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千代@安定くん愛してる(プロフ) - 凍り姫さん» ありがとうございます!本日ひさびさに更新することが出来ました。更新が遅くて本当に申し訳ないです… (2019年9月8日 20時) (レス) id: 06cd9985f5 (このIDを非表示/違反報告)
凍り姫 - 続きが楽しみです!頑張ってください!! (2019年1月12日 2時) (レス) id: 7ecdf95431 (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - 姫女さん» コメントありがとうございます。更新遅れて申し訳ないです!そして不覚にも笑ってしまいましたw (2018年12月23日 23時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
姫女 - おい、其処のお兄さん場所変われ (2018年8月16日 1時) (携帯から) (レス) id: 8d2132b5e1 (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - カラナ(月華)さん» ありがとうございます!忙しくてほんっっとうに更新遅いですが、がんばっています!コメントありがとうございます!! (2018年8月2日 0時) (レス) id: 8b4fc0089f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果汁入りラムネミックス | 作者ホームページ:
作成日時:2018年3月13日 13時