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4.雨の中で ページ8

最悪だ。
折りたたみ傘ではすまないくらいの大雨にぼくは、傘を鞄にしまい諦めた。

濡れて帰ろう。

人気のない道路を歩いていると、異様な気配に気付き立ち止まった。
妖怪だろうか。

なら、困る。

華籠を使わないと動きは生身のままで戦うはめになる。
華籠を使えるのはガイアぐらいしか知らない。

突然の攻撃にぼくはビックリして転んだ。お陰で無傷だが。
大きな蜘蛛型の妖怪のようで、ぼくは不利であると判断した。

Sランクだ。

覚醒者のSランクなら今ごろ生きてはいなかっただろう。
ぼくは風を起こそうと手をかざした。

待てよ、大雨の中では空気より湿気にとられるのでは?

空気に触れ操る術である風の舞は、大雨だとどうしても水が邪魔になり使いにくい。
ぼくは天候にまで敵にされたようだ。
蜘蛛型を鋭い足を向けてきた。

慌てて鞄を投げ飛ばした。
蜘蛛型はそれを標的だと勘違いしたようだ。
長いあいだ身に付ければ霊力が物に少しは移るのを利用した基礎的な事だが役に立つ。

ただノート、教科書類がズタズタだが。

次の瞬間、蜘蛛型が真っ二つになって消えた。

「危ないな〜夏音の言う通りだ。」

現れたのは坊主の霊だった。
片手には剣を握り・・・

5.鞄の残骸→←3.遅起きの俺



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設定タグ:恋愛? , , 僕らの小さなシリーズ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:クルーゼル | 作成日時:2015年5月11日 20時

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